「地獄の門」など多数の名所を持つトルクメニスタン、孤立から観光振興へ転換の兆し

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ユネスコ世界遺産に登録されている北東部の古代都市遺跡クニャ・ウルゲンチ/AlexelA / Alamy Stock Photo/https://www.alamy.com/Alamy Stock Photo

ユネスコ世界遺産に登録されている北東部の古代都市遺跡クニャ・ウルゲンチ/AlexelA / Alamy Stock Photo/https://www.alamy.com/Alamy Stock Photo

突然の改正、その理由は

皮肉なことに、トルクメニスタンは旧ソ連時代のほうが訪問しやすかった。当時はインツーリストというソ連の国営旅行社が、手早く旅行を手配していた。インツーリストは1929年、当時の最高指導者スターリンが外貨獲得に加え、ソ連の良い面だけを観光客に見せることを目的に設立した。80年代のソ連には、年間約400万人の観光客が訪れていた。

冷戦終結後、トルクメニスタンの初代大統領に就任したニヤゾフ氏は独自の統治体制を築いたが、観光客に対してはソ連方式を踏襲して人数を制限し、望ましい面だけを見せるガイド付きツアーを義務付けた。

豊富な天然ガス埋蔵量を誇る同国は外国に依存する必要がなく、ニヤゾフ氏が2006年に死去した後も入国者への厳しい規制が続いた。

だがそこに変化の兆しが出てきたようだ。

独ベルテルスマン財団の改革指数(BTI)によると、トルクメニスタンは10年近く前から経済難に陥っている。政府は外国からの投資を呼び込んで雇用を拡大するために他国との経済協力を目指し、最近ではトルコ、イランと天然ガス供給の合意に達した。

ビザ申請手続きの簡素化や観光振興への取り組みは、外貨準備高を増やす全体的な戦略の一環だとする見方もある。中央アジアの近隣国、ウズベキスタンとカザフスタンでは最近、観光ブームが起きている。

「ウズベキスタンは初代カリモフ大統領が死去した後、ビザ手続きを簡素化して観光業が急成長した。トルクメニスタンも同じような効果を期待しているのではないか」と、ファットランド氏は指摘する。

「ほかに『スタン』のつく国々は、どこも多数の国からビザなし入国を認めている。トルクメニスタンもまた、多少の開放が必要だと感じたのかもしれない」

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