全ての国を回った男性、今度は自ら「建国」 米

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スロージャマスタン共和国への「入国」を歓迎する看板/Republic of Slowjamastan Ministry of Communications

スロージャマスタン共和国への「入国」を歓迎する看板/Republic of Slowjamastan Ministry of Communications

ウィリアムズ氏は21年8月、ネバダ州にある11.3エーカーのミクロネーション「モロッシア共和国」を訪れた。1998年に米合衆国から独立を宣言したこの国で、ウィリアムズ氏は「ケビン・ボー大統領閣下」から直々に国内を案内してもらった。モロッシア共和国が旧東ドイツと今もなお「戦争」を継続していること、地域通貨「ヴァローラ」が金本位ではなくチョコレートチップクッキーの生地を単位にしていることを学んだウィリアムズ氏は、合衆国との「国境」でパスポートに入国スタンプを押され、記念撮影もした。

サンディエゴに戻ったウィリアムズ氏は、すぐさま自らのミクロネーション建国に向けて壮大な計画の構想に取りかかった。21年10月、同氏は1万9000ドルで土地を購入し、12月にはスロージャマスタンの独立を宣言した。

砂漠の専制国家

「ほぼ専制君主制だ」とウィリアムズ氏は言い、共和国「政府」の制度を説明した。「時には特別採決式や国民投票を行うこともある。最近では国果や国技に加え、国獣の名前を国民に投票してもらった」

「共和国」と言いながら、専制君主が国家元首を務めるのは矛盾しているように見えるかもしれないが、そこがポイントだ。ウィリアムズ氏は世界でも有数の興味深い国々を訪れ、奇妙なカルト的特徴や矛盾が存在するのを目の当たりにしてきた。北朝鮮が良い例だ。

偽の勲章がずらりと並び、金の肩章が付いたライトグリーンのスルタンの衣装に身を包み、色のついたサングラスをかけたウィリアムズ氏は、喜んで写真撮影に応じ、公の場で演説を行う。国境警備隊を雇い入れ、スロージャマスタンの国家行事の際には「ボディーガード」に身辺警備を任せる。国民も観光客も「国外追放」されたくなければ、施行されている数々の禁止令を順守しなければならない。現在は「クロックスの着用」「ラップを口ずさむこと」「車のダッシュボードに足を乗せること」などが禁じられている。

スロージャマスタンのスルタンの人格といでたちは、政治や専制君主制に見られる不条理をウィリアムズ氏なりに表現したものだ。同氏のミクロネーション計画に賛同する人々も後を絶たない。スロージャマスタンのウェブサイトからは市民権の申請や閣僚への立候補が可能だが、非常な人気ぶりで数千件の処理が追い付かない状態だ。

現在は観光客にも国境を開放している。同氏はとくに人気の観光アトラクションとして、スロージャマスタンの看板の前での自撮りや独立広場の訪問、国獣でもあるすばしっこいアライグマの探索などを挙げた。

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