極右に人気の米ホスティング会社から情報流出、アノニマスが犯行声明

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ハッカー集団「アノニマス」のトレードマークとなっている仮面=2018年2月12日、米ニューヨーク/Seth Wenig/AP

ハッカー集団「アノニマス」のトレードマークとなっている仮面=2018年2月12日、米ニューヨーク/Seth Wenig/AP

(CNN) 匿名のハッカー集団「アノニマス」が、極右団体に人気の米ウェブホスティング事業者エピックからデータを盗んで流出させたとする犯行声明を出した。エピックは、トランプ前米大統領を支持する「プラウドボーイズ」などの極右団体が利用していた。

今回流出した150ギガバイト以上のデータは、長年にわたる極右団体のネット上での活動に脚光を浴びせている。その中には、2020年米大統領選挙の結果を覆そうとした活動も含まれる。エピックのサービスは、陰謀説の流布や保守系メディアの報道に利用されてきた経緯がある。

エピックは、どのような危険な陰謀説をネット上で拡散させるかに関係なく、顧客の匿名性は守ると約束していた。このため専門家は、今回の流出によって、極右団体の組織の在り方やネット上で身を守る方法が影響を受ける可能性もあるとみている。

「このような流出が起きれば、そうした活動家の一部は安全を守ってくれる北米外の欧州の業者を探すことを強いられる」。米ハーバード大学のガブリエラ・コールマン教授はそう語り、今回の流出によって「極右のエコシステムに関する多くの詳細が確認された」と指摘した。

オンライン過激主義に詳しいサイバーセキュリティーアナリストのエミリー・クロース氏は今回の流出について、「オンライン極右集団の間で不安に取りつかれる要因がまた1つ増える」とみる。そうした集団は、大統領選の結果を覆そうとした暴力的な活動によって、既に監視対象にされていると感じているという。

ハッキング活動のデータを公表している非営利組織のエマ・ベスト氏は、今後何カ月にもわたり、研究者たちがさまざまな人物と極右団体の関係に関する手がかりを求めてエピックの流出情報を詳しく調べるだろうと予想する。

エピックは先週発表した声明で、流出に対応するため「複数のサイバーセキュリティーチームを導入した」と説明。顧客の安全とプライバシーを常に最優先すると強調していた。アノニマスが公開した情報は既に公開情報となっている1500万人のデータを含んでいるとも指摘した。

オーストラリアのサイバーセキュリティーコンサルタント、トロイ・ハント氏によると、エピックはインターネットで公表されている第三者のデータも収集していたと思われ、今回のハッキングではエピックの顧客ではない人の情報も大量に流出しているという。

ハント氏は、自分の電子メールのアカウント情報が流出していないかどうかをユーザーが確認できるサービスを運営しており、CNNの取材に対し、このサービスの登録ユーザー約10万人がエピックの情報流出の影響を受けたと説明。まだ自分の情報が流出したことを知らない人も大勢いると話している。

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