出産休暇中の女性、ワクチン接種の予約サイト作成 義母の困る姿見て
(CNN) 米マサチューセッツ州で、新型コロナウイルス感染症の予約に手間取っている義母の様子を見た女性が、もっと簡単に予約できるウェブサイトを構築し、話題となっている。
ソフトウェア開発者のオリビア・アダムズさん(28)は、州や民間が運営する複数のワクチン接種予約サイトから情報を集約。「macovidvaccines.com」と名付けたサイトを作った。
アダムズさんは同州アーリントン在住のソフトウェア開発者。生後2カ月の息子の世話で出産休暇を取る間に3週間、約40時間をかけてサイトを構築した。
「何もかもが集約されていなくて、訪れるべきサイトがいくつもあって驚いた。私の持つソフトウェア技術を、自由時間を使って状況の改善に役立てるにはどうしたらいいだろうと考えた」とアダムズさん。自由時間は乳児の息子が寝ていて、もう1人の2歳の息子が託児所にいる間に確保できることが多かった。
アダムズさんが考えを思いついたのは、義母から予約を取るのに手間取っているとの話を聞いてからだ。義母は歯科衛生士で、ワクチン接種の第1段階の対象者だった。
「彼女はどこに行って、どのように予約すればいいのか把握するのに少し苦労していた。予約はできたが時間が少しかかり、また義母の父の予約をする際も同じ問題に直面していた」(アダムズさん)
予約に苦労しているのはアダムズさんの家族だけではない。米国全土の高齢者から他の市民まで、優先接種の対象者が接種場所を見つけられず、何時間も電話やネットで探す状況になっている。
オリビア・アダムズさんと生まれたばかりの赤ちゃん/Courtesy Olivia Adams
州のオンラインのワクチン接種サイトを見て、これは改善できると考えたアダムズさん。これまで医療関係の複雑なソフトウェアを作ったことはあるが、このようなウェブサイトの構築の経験はなかった。
「一番難しかったのは、予約情報のある全てのサイトについて、人間が読むとの同じようにコンピューターに読み込む方法を命令する部分だった。そこに全ての時間を費やした」。
アダムズさんは5分に1回、20もの異なるワクチン接種サイトから情報を読み込む命令文を作った。
同州のベーカー知事は先ごろ、記者会見でアダムズさんのサイトについて質問を受けると、「名前を教えてほしい、話をしたい」と発言。アダムズさんによると、会見前に州にコンタクトを取っても反応がなかったものの、その後州のコロナウイルス指令センターから連絡があり会合を開くことになったという。
アダムズさんは当初、自分のサイトがこんなに人気が出るとは思いもしなかった。友人や家族に共有したリンクが広まっていったという。他の州にも応用できそうなプログラムには大きな需要があると感じている。
月初の時点ではそのような話があっても対応できる余力がなかったが「今はサポートが十分にあり、明確なニーズもある。他の州からもこれが実現できないかと問い合わせが届く。それを喜んで検討し、どう進んでいくか見ていきたい」という。
アダムズさんは他の人にもアイデアがあれば挑戦してほしいと語る。「まだ中途半端な状態のアイデアしかないと思っている人には、全力で試すように勧めたい。その結果にきっと驚くと思う」