サウジ政府機関に時限式サイバー攻撃、システムを一斉破壊
ニューヨーク(CNNMoney) サウジアラビアの政府機関など重要組織を狙ったサイバー攻撃が発生し、標的となったコンピューターの情報が全て消去されるなどの被害が出ていたことがこのほど明らかになった。世界有数の破壊力を持つサイバー兵器が再び使われたと見られている。
捜査に直接かかわる関係者によると、今回の攻撃ではサウジの政府機関やエネルギー、製造、運輸業界の関連組織が被害に遭った。
サウジの国営通信SPAは11月30日、さまざまな政府機関を狙ったサイバー攻撃が発生したと報道。「すべての機器とサービスを機能不全に陥れようとする攻撃が仕掛けられた。攻撃者はシステムから情報を盗んでウイルスを仕込んだ」と伝えている。
サイバーセキュリティー企業サイナックの研究員によると、狙われたのはサウジアラビアの航空規制当局で、攻撃には時限爆弾式のサイバー兵器「シャムーン」が使われた。
現地時間の11月17日午後8時45分、不正なプログラムが作動して狙った組織のコンピューターのデータの消去を開始。ファイルはすべて、死亡した3歳のシリア難民の男の子の画像に置き換えられた。被害に遭ったコンピューターはその後再起動できなくなった。