保存期間100万年?、次世代ストレージはDNA

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化石のなかでDNAが保存される仕組みにはまだ不明な点も多い

化石のなかでDNAが保存される仕組みにはまだ不明な点も多い

スペインのシマ・デ・ロス・ウエソス洞窟では、40万年前のミトコンドリアDNAを含む人骨が見つかった。人類のものとしては最古だ。永久凍土層でなくとも、洞窟の涼しい環境下でDNAが生き残ることがわかった。

確かなのは、水と酸素がDNAの保存にとって大敵だということだ。試験管内で水と空気にさらされたDNAは2~3年しかもたない。グラス氏の場合、DNAをガラス内に格納して、これを冷やすことで長期保存を可能にしている。ゾルゲル法という技術によって、比較的簡単にDNA分子の周囲にガラスを張りめぐらせることができるようになった。

同氏の研究チームがDNA記憶装置を使って試験的に保存したデータは、これまでのところ83キロバイトほど。スイス版マグナカルタとも言える「永久盟約」と「アルキメデス写本」だ。こうして保存された文書は1万年後、凍らせれば最長で100万年後も読むことができるという。

問題となるのはコストだ。現在では、わずか83キロバイトのデータを記録するのに2000ドル(約24万円)の値段がかかる。ただ、グラス氏は楽観的だ。

当初は高額だったヒトゲノム解析が数年で数百ドルの安さになったように、DNA記憶媒体も、医療用テクノロジーの進歩にともなって安価になっていくと予想している。

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