新型コロナが影を落とした東京2020、選手たちの輝きに期待

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新型コロナウイルスの流行が続く中、東京五輪が開幕を迎える/Carl Court/Getty Images

新型コロナウイルスの流行が続く中、東京五輪が開幕を迎える/Carl Court/Getty Images

組織委員会のウイルス封じ込め対策について、ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生校アシスタントで元オリンピック競泳選手だった米国のタラ・カーク・セル氏は、「頻繁に検査が行われているということは、今後も症例数が増え続けるということだ」と指摘する。

「真の問題は、そうした対策が機能する形で講じられるかどうかだ。それは全て実行の問題であり、計画を遂行できなければ計画に意味はない」

7月上旬には、東京などで会場を無観客とすることが決まった。参加する選手の85%は新型コロナウイルスのワクチン接種を受けている。

会場や、大半の選手が滞在する選手村周辺では、マスク着用、個人の衛生対策の徹底、対人距離の確保など、あらゆる対策が講じられ、アプリを使って参加者の健康状態も記録されている。

選手たちの到着日や出発日は競技日程に合わせて厳格に決められ、選手村を出ることができるのは、大会の会場など限られた場所へ行くときのみ。メディアの取材活動も縮小されている。

バッハ会長は東京を、これまでの開催地の中で「最も準備の整った都市」と呼び、組織委員会は安心で安全な大会をアピールする努力を惜しまなかった。

それでも国民の不安は消えない。

オリンピックを原因とする「バブル」外でのウイルス感染は既に始まっていると井谷氏は指摘、東京ではデルタ変異株が主流になりつつあることから、事態はたちまちエスカレートする可能性があると予想する。

到着前や到着後に検査で陽性が確認され、悲嘆に暮れる選手もいる。スケートボードのカンディ・ジェイコブス選手(オランダ)は東京で受けた検査で陽性と判定された。「悲しすぎる。(中略)私のオリンピックはここで終わり」「体調はいいし、こうならないよう自分でできる限りのことをやって、あらゆる対策をしてきたのに」とインスタグラムに書き込んだ。

出場選手にとって今回の大会は、これまでの大会とは大きく様相が異なる。中でもファンがいない影響は大きい。

今大会では、前回オリンピックの個人総合で金メダルを獲得した女子体操のシモーネ・バイルズ(米国)、5回の金メダルを獲得した女子競泳のケイティ・レデッキー(米国)、女子テニス4大大会を4回制した日本のスター、大坂なおみなどの活躍が注目される。

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