サンゴ礁に「不妊治療」、グレートバリアリーフ再生に期待

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サンゴの産卵の様子

(CNN) 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産にも指定された世界最大のサンゴ礁、グレートバリアリーフ。海水の温暖化によってサンゴが死滅する白化現象が広がる中で、オーストラリアの研究チームが「不妊治療」によるサンゴ礁の再生に取り組んでいる。

豪サザンクロス大学の研究チームは昨年11月、サンゴの産卵期に合わせて精子と卵を採集。ヘロン島の研究施設にある巨大水槽で受精させ、この施設で生まれたサンゴの幼生100万匹あまりを、ヘロン島周辺のサンゴ礁に戻していた。

1年後に調べたところ、成長したサンゴが無事にサンゴ礁を形成していることが分かった。同大のピーター・ハリソン教授は、「ヘロン島での実験によって、サンゴの繁殖に手を貸して定着させ、自然環境で成長させる我々の新手法が、グレートバリアリーフに対して通用することが実証された」と説明。グレートバリアリーフだけでなく、世界各地で幼生の死滅が起きているサンゴ礁の再生に、この手法を応用できると期待を寄せる。

今年11月にも同じ手法を繰り返した結果、既に新しいサンゴの幼生が定着する様子が観察されているという。

グレートバリアリーフについては今年4月、2016~17年にかけての白化現象で、全長2300キロのうち3分の2以上の1500キロの範囲に被害が及んでいるという調査結果が発表されていた。

サンゴの白化は海水温の上昇によって藻が繁殖して起きる現象で、地球温暖化との関連が指摘されている。海水温が高い状態が続けばサンゴは死滅し、多様な海洋生物が生息する環境も失われる。

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