絶滅したフクロオオカミ、遺伝子編集で復活目指す オーストラリア

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ベルリン動物園で1933年に撮影されたフクロオオカミ/Pictorial Press Ltd/Alamy Stock Photo

ベルリン動物園で1933年に撮影されたフクロオオカミ/Pictorial Press Ltd/Alamy Stock Photo

(CNN) オーストラリアで100年近く前に絶滅した肉食有袋類のフクロオオカミ(通称タスマニアンタイガー)の復活を目指すプロジェクトが始動した。進歩した遺伝学を活用し、古代のDNAを採取し、人工生殖を行ってフクロオオカミをよみがえらせる計画だ。

「何よりもまず、これ以上の絶滅を防いで生物多様性を守る必要がある。だが種が失われるペースに鈍化は見えない」。プロジェクトを率いるメルボルン大学のアンドルー・パスク教授はそう語る。「この技術はそれを是正するチャンスを与えてくれる。重要な種が失われてしまった特殊な状況に適用できる可能性がある」

プロジェクトは新興企業コロッサル・バイオサイエンシズと共同で手がける。同社創業者の1人で米ハーバード大医学校のジョージ・チャーチ氏は、マンモスの復活を目指す1500万ドル規模のプロジェクトにもかかわっている。

コヨーテほどの大きさのフクロオオカミは約2000年前、ほぼ世界中から姿を消し、オーストラリアのタスマニア島のみで生き残った。生態系にとっては、現代の有袋類の中で食物連鎖の頂点に立つ唯一の種として重要な位置を占めていたが、人間にとっては不都合だった。

1800年代に欧州からタスマニア島に移住した入植者は、家畜の被害をフクロオオカミのせいにして(ほとんどの場合、野犬や入植地管理の不手際が実際の原因だったが)、あまり姿を見せない半夜行性のフクロオオカミを乱獲し、絶滅の瀬戸際に追い込んだ。

飼育下で最後のフクロオオカミとなっていた「ベンジャミン」は1936年、タスマニア州ホバートの動物園で死んだ。この直前、フクロオオカミは保護種に指定されたが、種を救うには遅すぎた。

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