新型コロナ起源巡る2つの研究、ともに市場販売の動物由来が「最も可能性高い」

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中国・武漢の市場で豚肉を売る男性=2021年5月31日撮影/Getty Images

中国・武漢の市場で豚肉を売る男性=2021年5月31日撮影/Getty Images

(CNN) 新型コロナウイルスの発生源を巡り、2本の研究論文が26日、科学誌サイエンスに掲載された。2つの研究は全く異なる手法を用いながらも同じ結論に達し、中国・武漢にある華南海鮮市場が新型コロナウイルス感染拡大の震源地である公算が最も高いとしている。

世界保健機関(WHO)は先月、研究者らに対し、新型コロナの起源について研究所からの流出を含めたあらゆる可能性を引き続き探るよう促していた。上記の2本の論文は今年2月に査読前原稿としてオンラインで公開されていたが、今回査読を済ませた形で刊行された。

このうち1本の論文では、世界中の研究者らがマッピングツールとソーシャルメディア上の報告を活用し、空間的及び環境的な分析を行った。それによると「具体的な状況は依然として不明瞭」ながら、おそらくウイルスは武漢の市場で生きたまま売られていた動物の体内に2019年終わりの時点で存在していたことが示唆されるという。

これらの動物は互いに近接した状態で売られており、ウイルスの交換は容易に起きたとみられる。ただ論文ではどの動物がウイルスに感染していたのか特定していない。

研究者らは最も早期の新型コロナ感染例について、同市場を中心に発生したと断定。これらの生きた動物の販売者か市場の客の間で感染したとみている。動物の中で2つの別個のウイルスが蔓延(まんえん)しており、それがヒトにも広がったとみられるという。

「19年12月20日以前に検出された感染例8例は全て、市場の西側からのものだった。市場では哺乳動物も売られていた」と、論文は指摘。近い位置にある5つの屋台で生きたもしくは最近食肉処理された動物が売られていたため、ヒトへの感染は予想できたとしている。

論文の共著者らは、「クラスター(感染者集団)の発生が非常に明確」だとし、「常軌を逸した」パターンがこれらの感染のマッピングから極めてはっきりと浮かび上がったと述べた。

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