中世グリーンランドからのバイキング消滅、セイウチの乱獲が一因 新研究

セイウチの牙で作られた12世紀のチェス駒/Print Collector/Hulton Archive/Print Collector/Getty Images

セイウチの牙で作られた12世紀のチェス駒/Print Collector/Hulton Archive/Print Collector/Getty Images

(CNN) 中世のグリーンランドに定住し、15世紀に忽然(こつぜん)と姿を消したバイキング。長年にわたるなぞとなっていた消滅の理由について、セイウチの乱獲が一因だった可能性があるとの新たな研究がこのほど発表された。

研究論文の筆頭著者であるジェームズ・バレット氏によると、中世の時代においてセイウチの牙は価値の高い商品であり、バイキングはしばしばこれらの牙を欧州各地に持ち込んでは鉄や木材との交易を行っていた。

これまでの学説では、西アフリカとの交易ルートが開通したことで同地域産の象牙が欧州に流入し、仕上がりの美しさでセイウチの牙をしのぐ人気商品となったことが示唆されていた。今回研究者らは、バイキングが行ったセイウチ猟の実態を分析。牙の価値が下落するなか従来通りの交易を成立させるため、乱獲と呼べる水準にまでその規模を拡大したとみられる証拠を発見したとしている。

論文によると、欧州各地で見つかった11~15世紀にさかのぼるセイウチの頭部の骨67個についてDNAや安定同位体などを調べたところ、13世紀を境にそれまでより北方の地域に住む系統のセイウチが流通するようになった形跡が確認できた。

前出のバレット氏はCNNに対し、狩猟の規模が拡大したことで伝統的なセイウチの猟場が枯渇した可能性に言及。「バイキングのハンターは北極圏のより深い地域にまで狩猟に出かけることを余儀なくされたが、成果は乏しくなる一方だったと思われる。セイウチの個体数はますます少なくなり、結果として牙の交易で生計を立てる人々の減少にも拍車がかかったのだろう」と述べた。

そのうえで「世界的な経済の変化に直面したことで、バイキングは狩猟活動を維持できなくなった可能性がある。当時は(気候変動など)ほかにも困難な事態が重なって起きており、彼らは極めて厳しい状況に置かれていた」と語った。

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