NASA、大気圏観測衛星「ICON」打ち上げ 地球と宇宙の天候の関係探る

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国際宇宙ステーションから撮影した高層大気中で赤く輝く大気光/NASA

国際宇宙ステーションから撮影した高層大気中で赤く輝く大気光/NASA

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は現地時間の10日午後10時、電離層探査衛星「ICON」をフロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げた。地球の気象と宇宙の気象が出会う地点を観測し、相互の関係を探る。

ICONはロケット「ペガサスXL」に搭載されたノースロップ・グラマンの宇宙船「L1011スターグレイザー」に乗せて空中発射された。

1回目の打ち上げは同宇宙船との通信が途絶えたために中止されたが、2回目の打ち上げは成功した。

ICONは地球の上空約560キロの距離から観測を行い、粒子の状態や動きも測定。超高層大気中の原子や分子が過剰なエネルギーを放出して赤や緑、紫、黄色などの光の帯を織りなす大気光の中で運用される。

オーロラと違って大気光は地球の上空に常に存在しているが、地球軌道を周回する国際宇宙ステーションから観察するか、地上で晴れた夜に高感度カメラを利用しない限り見ることはできない。

NASAの専門家は、「大気はそれぞれガスや高度や励起(れいき)過程に応じて大気光の色が異なるので、大気光を利用すれば、さまざまな大気の層の研究ができる」と解説、「ICONから見た大気光の様子を見るのが待ちきれない」と話している。

地球と宇宙が出会う電離層は、電子を帯びた粒子に満ちた動的な環境が形成され、常に変化している。気球での観測には高度が高すぎ、衛星では低すぎるために、これまでは研究が難しかった。

しかし宇宙の天候と地球の天候は関係している形跡があり、電離層で「勢力争い」をしていると思われる。ICONはその現象の確認を目指す。

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