4万2千年前の子馬から血液を発見、目標はクローン作成 ロシア
(CNN) ロシアの研究グループはこのほど、極東シベリアのベルホヤンスク地域で4万2000年前に死んだ子馬から、液体の血液と尿が見つかったと明らかにした。
北東連邦大学(NEFU)マンモス博物館のセミヨン・グリゴリエフ館長によると、体液は検視の過程で採取したもので、クローン作成に向けた検査も行ったという。この馬は絶滅種。
死骸は昨年夏、マンモスの牙を探していた集団がバタガイカ・クレーターの永久凍土で発見した。この日の気温はマイナス67.8度まで下がっていた。
グリゴリエフ氏はメールでCNNに、死んだ時の子馬は生後2週間程度だったとみられると説明。泥にのみ込まれ、その泥が永久凍土の一部になった可能性が高いとの見方を示した。
さらに「検視の結果、死骸は保存状態が極めて良好で、体の変形すらないことが判明した」とも明かした。頭や脚を中心に体毛も残っていたという。
体毛が保存されているのは極めてまれだといい、「更新世に絶滅した馬の体毛がどんな色だったのか、これで特定可能になった」としている。
液体の血液と尿が見つかるのはさらに珍しい。グリゴリエフ氏が把握している限り、更新世の動物から液体の血液が見つかったのは他に1件だけで、同氏のチームが2013年5月にリャーホフスキー諸島で発見したマンモスのものだという。
NEFUのチームは現在、韓国のスアム生命工学研究院と共同で、クローン作成に向け子馬の細胞を培養する取り組みを進めている。
スアムを率いる黄禹錫(ファンウソク)氏は04年、クローン技術によるヒト胚性幹細胞の作成に成功したと発表したものの、後にねつ造だったと認めた。