カナダ北極圏の大地、4万年ぶりに露出 温暖化で氷河が解ける

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氷に覆われたバフィン島の様子=2017年4月/Christopher Morris/Corbis/Getty Images

氷に覆われたバフィン島の様子=2017年4月/Christopher Morris/Corbis/Getty Images

(CNN) カナダ北東部の北極圏にあるバフィン島で、氷河の氷が解け、4万年以上も隠れていた大地が露出しているのが見つかった。北極圏は少なくとも11万5000年ぶりの温暖化に見舞われている可能性があると、研究チームは指摘している。

科学誌ネイチャー・コミュニケーションズにこの論文を発表したコロラド大学ボルダー校の研究者はCNNの取材に対し、「単なる偶然の出来事ではない」「バフィン島では太古の地形が広範にわたって露出している」と語った。

研究チームは2010年~15年にかけ、バフィン島の氷河が縮小した場所30カ所で、48のコケ類や地衣類を収集した。こうした植物は何万年も前に氷河に覆われて死滅しながら、今も根を張り続けていた。

放射性炭素年代測定法を使ってこの植物を調べた結果、大部分は少なくとも4万年の間、氷河に覆われていたことが分かった。

「一般的に、標高が高い地域では長期間にわたって氷が残る」「ところが温暖化の規模があまりに大きいために、至る所であらゆるものが解けている」と研究者は解説する。

収集した古代の植物は、同島に今も生えている植物と同じ種類だった。この植物の年代と、気温に関するデータを組み合わせると、同地域の今世紀の気温が約11万5000年ぶりの高さになっていることをうかがわせるという。

「この傾向は今後も続き、バフィン島の氷は次の数世紀で全て消えてなくなる公算が大きい」と研究チームは警鐘を鳴らしている。

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