無線使ったインプラントでまひ克服、脊髄損傷のサルが歩けるように

対まひは大抵、脊髄や神経の内部が損傷することによって引き起こされ、脳と体の他の部位との間で神経信号を伝達できなくなる。損傷を負った位置に応じてまひの程度が決まり、損傷箇所が体の上部であるほどまひは悪化するとされる。

今回の新インターフェースでは2台の主要インプラントを使用。1台はセンサーとして脳内に取り付け、もう1台は神経刺激装置として脊髄内に埋め込んだ。通信経路を確保するため、損傷箇所をまたいで2箇所に設置した形だ。

1台目のインプラントは脳の運動皮質に設置され脳信号を検知し、脚の筋肉に歩行するよう命令を出す。まひを負った場合でも脳は歩くこと、歩行を命じる信号を出すことを考え続けている。

損傷がない場合、こうした脳信号は脊髄内の神経を伝わり、脚の筋肉の中にある神経に到達する。だが今回は無線によりコンピューターに信号を送信。コンピューターは信号を解読し、脊髄内に埋め込まれた刺激装置に新たなメッセージを送る。

この2台目のインプラントが脳やコンピューターの命令に基づいて電流を放ち、脚の中の特定の筋肉を動かす神経を刺激する。これにより筋肉が動いて収縮、歩けるようになる仕組みだ。特定の量の電流を神経刺激装置から放つことで意図した動きを再現しているという。

インプラントの機能を証明するため、クルティーヌ氏らはサル2匹の脊髄を部分的に損傷させてまひ状態にし、すぐ後にインプラントを挿入した。倫理規定に従い、損傷の程度は神経の再生により自然治癒しうる小規模なものとなった。サルたちがまひ状態にあるのは最初の数週間だけに限られるため、インプラントは損傷を加えた直後にテストされた。

この分野のすべての研究者にとっての目標はこうした技術を人間に応用し、対まひになった人々の日常生活の質を向上させることだ。ただ、今回の技術を人間に応用するためには、サルの場合に比べはるかに多くの課題が生じるとみられている。

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