乳がん患者の生存率、適度な飲酒で向上も 米研究
(CNN) アルコールは乳がんのリスクを高める要因として知られているが、患者の生存率に悪影響は及ぼさず、むしろ適度な摂取によって生存率が高まる可能性もある――。そんな研究結果が10日までに学会誌に発表された。
研究チームは乳がん患者約2万5000人を平均11年にわたって追跡調査し、アルコール摂取と死亡率との関係を調べた。その結果、乳がんと診断される前に週当たり3~6杯のアルコールを摂取していた患者は、乳がんで死亡する確率が15%低いことが分かった。
さらに、適度なアルコール摂取には、乳がん患者の死亡につながる心血管系疾患のリスクを抑える効果もあることが判明。乳がんと診断される前に週当たり3~6杯のアルコールを摂取していた患者は、心疾患を発症する確率が25%低いという結果が出た。
論文をまとめた米フレッド・ハチンソンがん研究所のポリー・ニューコム氏は、「診断される前の飲酒パターンが、乳がん患者の生存率に悪影響を及ぼすような関係はないことが、今回の研究で示された」と説明。さらに、「まったく飲まない場合と比べると、適度なアルコール摂取によって生存率はある程度向上することが分かった」としている。
また、乳がんと診断された後にアルコールを飲んでも、適度な量なら生存率には影響しないようだと同氏は話している。