米GDP、1~3月期は0.3%減 3年ぶりマイナス成長
ワシントン(CNN) 米商務省が4月30日発表した2025年1〜3月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)は年率換算で前期比0.3%減だった。トランプ米大統領による大幅な政策変更で消費者や企業が懸念を募らせている中、3年ぶりのマイナス成長となった。
24年10〜12月の同2.4%増から大幅に減速し、エコノミストらの予想の同0.8%増を下回った。発表を受けて、米株式市場は下げた。
トランプ政権はここ数カ月、相次いで関税を導入し、中国との貿易摩擦を激化させている。大半のエコノミストは、世界貿易を再構築するというトランプ氏の壮大な試みにより米国のインフレ率は上昇し、景気後退を引き起こす可能性さえあると指摘している。
GDP発表を受けて、トランプ氏はSNSへの投稿でマイナス成長はバイデン前大統領に責任があると非難し、関税の影響を否定した。また、今後、米経済は上向くとの見方を示した。
発表によると、1〜3月期のマイナス成長は貿易赤字と政府支出の減少によるところが大きい。トランプ氏の関税を控えて駆け込み輸入があり、24年10〜12月期に1.9%減だった輸入は1〜3月期には41.3%増と大幅に増え、その一方で輸出は1.8%増にとどまった。
GDPの約7割を占める個人消費は1.8%増で、前期の4%増から減速した。
一方、企業の支出は大幅に増えた。トランプ関税の影響を緩和するための先んじた動きとみられる。設備投資は9.8%増で、前期は3%減だった。