トランプ米大統領、就任100日目で集会 成果誇るも前途は多難

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集会で演説するトランプ大統領=29日、米ミシガン州/Alex Brandon/AP

集会で演説するトランプ大統領=29日、米ミシガン州/Alex Brandon/AP

ミシガン州ウォーレン(CNN) 米国のドナルド・トランプ大統領が29日夜、米ミシガン州で集会を開いた。

2期目の大統領就任から100日であり、残りの任期1361日という節目だった。トランプ氏は支持者から称賛を浴び、「我が国の歴史上、どの政権よりも成功した最初の100日」を終えたと宣言した。トランプ氏はお決まりの不満と大げさな主張で前政権を懐かしみつつ、今後の道筋を示す機会をとらえた。

だが、この日の出来事は、トランプ氏がこれまで取ってきたあらゆる行動にもかかわらず、困難な課題が山積していることを浮き彫りにしただけだった。

トランプ氏は、集会の会場となったミシガン州に到着する前、数週間前に発動した自動車をめぐる関税について軽減措置を講じた。自動車業界や専門家は、関税によって新車の値段が数千ドル上昇する可能性があると警告していた。

トランプ氏はさらに午前中、アマゾンが自社のプラットフォームで関税による追加コストを表示するかもしれないとの報道に憤慨し、創業者のジェフ・ベゾス氏に対して、そうした行動は敵対的だと警告した。アマゾンはトランプ氏からの電話の後、この計画は単なるアイデアであり、実行されないと明らかにした。

トランプ氏が率いる国民は大統領にますます懐疑的になっている。CNNの直近の世論調査によれば、トランプ氏の支持率は41%と大統領就任100日時点では現代の大統領の中で最低の水準となった。経済政策に対する支持も39%で、大統領としての職歴のなかで最低だった。

しかし、集会では、「黄金時代」を宣言するポスターに囲まれ、トランプ氏とその支持者は興奮していた。

「まだ始まったばかりだ。あなたがたはまだ何も目にしていない」。トランプ氏はそう訴えた。

トランプ氏は1時間半にわたる演説で、ジョー・バイデン前大統領を彷彿させる「スリーピー・ジョー(眠たいジョー)」について、いつもの発言を繰り返した。「素晴らしい候補者」と呼ぶカマラ・ハリス前副大統領をやゆし、喝采を浴びた。そして、2020年の大統領選に関する最大のうそを繰り返した。

ホワイトハウスがトランプ氏の求める法案の成立に集中し始め、予算と税制改革をめぐって7月の期限が迫るなか、トランプ氏は自身の大統領としての在り方を決定づける重要な可能性を秘めた今後100日間について、ほとんど言及しなかった。

トランプ氏は国民からの支持を押し下げている経済の不安について、ほとんど触れなかったが、ミシガン州訪問では、米国の製造業を復活させるという長年の信念に基づいた関税をめぐり、ジェットコースターのような取り組みが強調された。

この挑戦の次の章はまだ明らかになっていない。トランプ氏は、関税が深刻な経済的苦痛をもたらすと主張する自動車メーカーからの要求と、自身が擁護しようと努めてきた労働者階級の利益とのバランスを図らなければならない。しかし、トランプ氏の言葉を借りれば、税制や関税を進化させたことで、自動車メーカーは「ミシガン州に戻ってきて再び自動車を製造するようになった」という。

トランプ氏は自身の掲げる強硬な移民政策について、代表的な成果であり、選挙戦から守られた最大の公約のひとつだとたたえた。その後、ABCで放送されたインタビューのなかで、不法滞在の疑いのある人々が適正な手続きを受けるに値するという考え方に疑問を投げかけた。

トランプ氏は集会で、バイデン氏の「非常識な電気自動車義務化」を終了させたと主張したものの、米国人がガソリン車を購入することを禁止する連邦法はこれまで存在したことはなかった。トランプ氏は政策金利をめぐって対立してきた米連邦準備制度理事会(FRB)議長よりも「はるかに多く」のことを知っていると述べた。「ディープステート(影の政府)の官僚」の「ぼろもうけできる仕事」を止めようとしているとも語った。その後、ABCに対して、政府効率化省(DOGE)が実施した人員削減の一部を撤回することを検討していると明らかにした。

トランプ氏は大統領就任後の最初の3カ月は、どちらかといえば家で過ごすことを好み、ホワイトハウスかフロリダ州やニュージャージー州にある自宅やゴルフコースでほとんどの時間を過ごした。

しかし、集会の終わりにステージに残ったトランプ氏は、ほぼ10年間の政界での人生を支配してきた雰囲気の中に戻ってきたことを楽しんでいるようにみえた。

「我々は決して後退しない。決して降伏しない。戦い、戦い、戦い、共に勝つ、勝つ、勝つ。共に米国を再び強力な国にする」

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