中国、対中貿易の制限求める米国に屈しないよう各国に警告 中国の利益犠牲なら「報復」
香港(CNN) 中国政府は21日、貿易相手国に対し、トランプ米大統領の「相互関税」の免除と引き換えに対中貿易の制限を求める米国の圧力に屈しないよう警告した。
中国商務省の報道官は、米国が関税交渉を利用して中国経済を孤立させる計画があるとの最近の報道について、「宥和(ゆうわ)政策は平和をもたらさず、妥協すれば尊敬は得られない」と述べた。
報道官は、「中国は、中国の利益を犠牲にして合意に達するすべての当事者に断固として反対する。そのような状況が発生した場合、中国はそれを受け入れず、断固とした報復措置を講じる」と付け加えた。
トランプ氏は9日、大半の国に対する相互関税を90日間停止。貿易戦争の焦点を公然と中国に絞り込み、中国からの輸入品に対する関税を145%にまで引き上げた。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは先週、交渉に詳しい情報筋の話をもとに、トランプ政権が現在行われている関税交渉を利用して、米国の貿易相手国に対し、中国との取引を制限するよう圧力をかける計画だと報じた。
同紙によると、その狙いは、ホワイトハウスが課す関税障壁の軽減と引き換えに、米国の貿易相手国から中国経済を孤立させるという約束を引き出すことにある。この約束には自国を経由させた中国製品の輸送を禁止することや、米国の関税を回避するために中国企業が自国に進出することを阻止すること、中国の安価な工業製品を受け入れないことなどが挙げられる。