持続可能な航空燃料への移行、富裕層が割増運賃を払うべき 英空港CEO

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昨年夏、大勢の旅行者が行き交うロンドン・ヒースロー空港の第2ターミナル/Marcin Nowak/Shutterstock

昨年夏、大勢の旅行者が行き交うロンドン・ヒースロー空港の第2ターミナル/Marcin Nowak/Shutterstock

ロンドン(CNN) 英ヒースロー空港のジョン・ホランドケイ最高経営責任者(CEO)は17日、環境に優しい「持続可能な航空燃料」(SAF)に移行するには、裕福な乗客が割増運賃を支払う必要があるとの見解を示した。

スイスのダボスで開催中の世界経済フォーラムで述べた。特に発展途上国の人々のコストを低減するため、裕福な個人や企業がSAFでのフライトにかかる費用を追加負担すべきだとしている。

ホランドケイ氏は今回、金融機関やエネルギー供給業者は新興市場を含む地域でSAFの生産に投資する必要があると訴えた。

一方で「マス市場や発展途上国がエネルギー移行の費用を負担しなくても済むよう、個人や企業として、我々は持続可能な航空燃料のための割増料金を支払う必要がある」と説明。「この部屋にいる富裕層や富裕国は発展途上国を助けるため、エネルギー移行に資金を出すべきだ」とした。

SAFは航空機の炭素排出量削減に不可欠とみられているが、環境に優しい半面、高額な費用がかかる。一部の航空会社では、乗客が割増運賃を払ってSAF使用にかかる追加コストを負担することで、自身の二酸化炭素排出量を相殺する選択肢を認めているものの、この選択肢を使う乗客はほとんどいないのが現状だ。

SAFは主に使用済み食用油などの食品・農業廃棄物をリサイクルして作られるバイオ燃料の一種で、現在のジェット燃料に比べ温暖化ガスの排出量を8割削減できる。

ただ、コストも化石燃料ベースの航空燃料に比べ2~8倍高くなる。このため、世界経済フォーラムとマッキンゼーの報告書によると、2019年の民間航空の燃料に占めるSAFの割合はわずか0.1%にとどまった。

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