メキシコが経済防衛の準備、トランプ氏当選に備え
アナリストたちは、仮に同氏が次期大統領に当選した場合、大規模なペソ売りが生じ、メキシコ経済の疲弊がさらに悪化するとも予想している。
ただ、ペソ安が進めばメキシコの輸出力が高まり、外資の呼び込みに有利となる側面もある。海外居住のメキシコ人による親族らへの送金がより多くのペソを得られる効果もある。
メキシコ経済は最近減速しているが、原油価格の低迷や政府の緊縮政策も一因となっている。同国は最近、四半期ベースではここ2年で最悪となる年間の経済成長率を発表していた。
貿易の専門家たちは、トランプ氏が当選してNAFTAが廃棄され、自動車大手フォードなどの製品に輸入関税が課されるような事態になれば米国の利益にはならないと主張している。米商工会議所によると、メキシコとの貿易に関係する米国内の就業人口は600万人。
メキシコ中銀のカルステン総裁は、米大統領選の結果に左右される経済の緊急対応策を行使する必要がないことを望むと述べた。