アルメニア側、ロシアの停戦案を受け入れ ナゴルノ・カラバフでアゼルバイジャンが「対テロ作戦」

アゼルバイジャンの攻撃後、ナゴルノ・カラバフの中心都市ステパナケルトで被害を受けた建物を撮影=19日/Siranush Sargsyan/AP

2023.09.21 Thu posted at 08:30 JST

(CNN) アゼルバイジャンが隣国アルメニアとの係争地ナゴルノ・カラバフで19日に「対テロ作戦」を開始したことを受けて、ナゴルノ・カラバフの当局は20日、ロシアが派遣している平和維持部隊が仲介した停戦を受け入れた。

ナゴルノ・カラバフの大統領府によると、停戦は現地時間20日午後1時に発効した。

カラバフの当局者によると、アゼルバイジャンの今回の対テロ作戦で市民10人を含む少なくとも200人が死亡、400人あまりが負傷した。

ナゴルノ・カラバフはアゼルバイジャン領内にあり、国際的には同国の領土と認められている。だが、約12万人いるアルメニア系の住人が同地域の人口の大多数を占め、アゼルバイジャンの統治を拒んでいる。アルメニアが支援する政府が同地域を実効支配しているが、アルメニアやその他の国から正式に承認されていない。

ナゴルノ・カラバフの大統領府の声明には「ロシアの平和維持部隊が展開する区域からのアルメニア軍の部隊や兵士の撤退、武装組織の解散と完全武装解除について合意に達した」とある。

ステパナケルトへの砲撃で退避した子ども=19日

ロシア国営RIAノーボスチ通信によると、アゼルバイジャン国防省は対テロ作戦を停止することに同意した。

アゼルバイジャンの当局者は、アルメニア系の代表者と21日に同国中部エブラフで「アゼルバイジャンの憲法と法律のもとでの再統合について協議する」としている。

ナゴルノ・カラバフの大統領府は、自軍が数の上で劣勢に立たされたなどと停戦受け入れの理由を説明した。

一方、アルメニアのパシニャン首相は、停戦合意の仲介に自国は関与していないと明言。合意文書では「誤ってアルメニア軍に言及されているが、アルメニアはナゴルノ・カラバフに軍隊を駐留させていない」と述べた。

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