地中で獲物を捕らえるウツボカズラの新種発見 インドネシア

地中で獲物を捕らえる新種のウツボカズラがインドネシアで見つかった/Martin Dančák

2022.07.02 Sat posted at 13:00 JST

(CNN) 食虫植物ウツボカズラの新種がこのほどインドネシアで発見された。獲物を捕らえる袋状の部分が地面の下に伸びているのが特徴で、ミミズや昆虫の幼虫、甲虫など地中で暮らす生き物を餌にしているとみられる。

これらのウツボカズラは、同国ボルネオ島に位置する北カリマンタン州の土の中から見つかった。他のウツボカズラ同様、葉が変化した捕虫袋があり、その中に落ちた獲物を栄養源にする。(大型の種の中にはネズミを捕らえるものもいる)

これまで知られた中で、獲物を地中で捕獲する種は存在していなかった。

このウツボカズラは特殊な地下茎を形成し、小さくて白色の、葉緑素のない葉を付けると、研究者らは説明する。捕虫袋はこの葉よりはるかに大きく、赤みがかった色をしている。

チェコのパラツキー大学オロモウツに在籍し、今回の研究論文の筆頭著者を務めたマルチン・ダンチャーク氏が報道向けに発表したところによると、当該の種の捕虫袋は最大で長さ11センチ。くぼんだ地形もしくは土壌で直に形成され、地中で暮らす生き物を捕らえる。たいていはアリやダニ、甲虫を捕まえるという。

この植物には捕虫袋があり、最大11センチの生き物を閉じ込めるために使われる

地中にわなを仕掛けることが分かっている食虫植物はほかに3種類のみ。ただそれらのわなの仕組みはどれも非常に異なっているほか、今回の新種と異なり、極めて小さな生物しか捕獲できないと、研究者らは説明する。

新たに発見されたウツボカズラの捕虫袋には、蚊の幼虫や線形動物、同じく新種とみられるミミズの一種など、数多くの生物がいたという。

今回の発見はボルネオ島の自然保護にとっても重要な意味を持つ。同島は生物多様性のホットスポット(絶滅危惧種が多く生息し、保全が急がれる地域)となっている。

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