(CNN) 欧州南部で大規模な山火事が広がり、スペインやギリシャの地方部で被害が出ている。イタリアのサルデーニャ島では約1000人が自宅からの避難を余儀なくされた。
サルデーニャ州は25日、「前例のない災害」を理由に、非常事態宣言を出した。
サルデーニャ州のソリナス知事は26日の声明で、同島オリスターノ地域で進行中の火災についてまだ被害の評価ができないと言及。「草木が破壊され、企業や民家が焼け、動物たちが死んだ」と述べた。
サルデーニャ島で焼け焦げた車。州は非常事態を宣言した/Alessandro Tocco/LaPresse/AP
その後報道官は27日、CNNに対し、焼失面積は現時点の推計で2万ヘクタール前後だが、依然として当局が被害を見極めている状況だと述べた。大半の火は消し止められ、現在は再出火防止に必要な措置を講じているという。
同州はここ数日、人員7500人や航空機20機超を消火活動に投入した。イタリアの隣国からは支援が寄せられており、フランスとギリシャが消火活動を支援する航空機4機を派遣した。
ソリナス知事はイタリアのドラギ首相に対し、被災地への経済支援を要請。ドラギ氏は政府が状況を注視していると述べ、救助関係者への「全面的な連帯」を表明した。
ギリシャやスペインも熱波による山火事への対応に苦慮している。
ギリシャでは25日から26日にかけて複数の山火事が発生し、鎮火のため700人以上の消防士が展開した。
スペインでは北東部カタルーニャ地方が火災に見舞われ、コンカ・デ・バルベラやアノイアで1700ヘクタール以上が焼失した。ただし消防隊95人、軍要員280人、航空機6機からなるチームが対応に当たった結果、26日時点で90%が制御された。