ウイルス性の出血熱、マールブルグ病の流行宣言 ウガンダ

2017.11.03 Fri posted at 15:20 JST

(CNN) 東アフリカのウガンダ東部で、致死率の高い感染症「マールブルグ病」の症例が確認され、同国保健省が流行を宣言した。

世界保健機関(WHO)によると、マールブルグ病はウイルス性の出血熱で、人間への感染力が極めて高い。

ウガンダ保健省は10月19日に流行を宣言した。WHOによると、ケニヤと国境を接する東部のクウェエン地区で10月28日までに2人の感染が確認されたほか、感染の可能性が高い患者が1人、感染が疑われる患者が2人報告されている。このうち兄弟姉妹の男性2人と女性1人は死亡した。

保健省が最初に感染を確認したのは50歳の女性患者で、発熱や出血、嘔吐、下痢の症状を発症して10月11日に病院で死亡した。その3週間前には、この女性の兄弟の1人が同じような症状のため死亡し、同地の伝統に従って埋葬されていた。

猟師だったこの男性の住居の近くには、マールブルグ病のウイルスを媒介するルーセットオオコウモリの生息する洞窟があった。

ウガンダのウイルス研究所は検査の結果、2人がマールブルグウイルスによって死亡したことを確認した。

WHOは現地の保健当局と連携して、患者と接触した135人について経過観察を続けている。感染の疑いがあるとされた医療従事者2人については、血液検査の結果、感染は確認されなかった。

それでも病院や葬儀の場で数百人がウイルスに接触した可能性は残る。

米国感染症学会によると、マールブルグ病のウイルスはエボラウイルスと同じ科に属し、血液や体液を介して感染する。血液に直接触れた場合のほか、患者の体液が付着した衣類や寝具を通じて感染することもある。

感染した場合の潜伏期間は2日~21日。発症すると高熱、激しい頭痛、極度の倦怠(けんたい)感などの症状が出て、5~7日後には出血が始まり、悪化すると死に至る。複数の部位からの出血を伴うこともある。

患者はやせ衰えて目が落ちくぼみ、無表情になる。WHOは「幽霊のような姿」と形容している。死亡率は平均で約50%に達する。マールブルグ病が最初に発見されたのは1967年で、ドイツとセルビアで同時に流行が発生した。これまでの流行による致死率は、ウイルス株や保健当局の対応によって24~88%と幅がある。現時点でマールブルグ病の治療法は存在しない。

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