「腎結石と思ったら妊娠」、緊急手術で出産 米ジョージア州

母親が妊娠の兆候に全く気づかなかったというショーンちゃん

2016.10.28 Fri posted at 12:01 JST

(CNN) 米ジョージア州で、腎結石ができたと思って病院を受診した女性が妊娠していると告げられ、そのまま男の子を出産する出来事があった。

同州ローカストグローブに住むステファニー・エーガースさんは先週、腹部に強い痛みを感じ、腎結石だと信じて近くの病院で診察を受けた。検査の際に妊娠何カ月目かと尋ねられ、妊娠していないどころか生理中だと答えたという。

医師の指示で超音波検査を受けたステファニーさんは、緊急手術を受けて男の子を出産した。

「大変なショックだった」とステファニーさんは振り返る。夫のマイケルさんも頭が真っ白になったといい、「ほとんどの親は9カ月以上かけて準備するのに、私たちは30分前に告げられた」とフェイスブックに書き込んだ。

ステファニーさんは妊婦がすべき健康管理をしていなかったことを心配した。しかも子どもは逆子で、両足を頭の近くにまで持ち上げて座ったような格好をしていたことも分かった。

その数時間、信じられない思いの連続だったが、ショーンちゃんと名付けた息子を抱いた瞬間、安堵感に包まれたという。「この瞬間に全ての不安は消えた。こうなるはずだった、これで良かったと思った」

母親のステファニーさんに抱かれるショーンちゃん

マイケルさんによると、妊娠と分かった瞬間から、2人はステファニーさんが食べた食事のことや、骨折してX線検査を受けたこと、遊園地でジェットコースターに乗ったことなど心配事が次々に浮かんだという。

しかしそんな心配をよそに、ショーンちゃんは3260グラムの元気な赤ん坊として誕生。エーガースさん夫妻の4人の子どもの中で一番元気に生まれてきたという。

そもそもなぜ妊娠に気付かなかったのかという疑問についてマイケルさんは、「自分たちも同じことを自問している。バカでマヌケで無知と言われても、自分にそれが起きるまでは本当に分からない」と話す。

ステファニーさんの出産はこれで4度目。妊娠の兆候は分かっているはずだが、今回は何も兆候がなかったという。

ステファニーさんはこの数カ月で太ったように感じるとこぼしていたが、妊婦のような腹部の膨らみはなかった。これは多分、ショーンちゃんがずっと、肋骨の下で体を2つに折った姿勢でいたことによると思われる。

1年前には閉経と診断され、子どもはもうできないだろうと告げられていた。ホルモンバランスの乱れはこれで説明がつく。

両親の心配をよそに、これまでのどの子どもよりも元気に生まれてきたという

しかし5人家族が突然6人になったエーガースさん一家がこの事態を乗り切るのは簡単ではなかった。

ステファニーさんはまだ骨折が完治せず、思うようには動けない。映画やテレビ業界で働くマイケルさんは3日間だけ休暇を取って仕事に戻らなければならず、マイケルさんの母が助けに駆け付けた。

ショーンちゃんの16歳と11歳の兄もよく手伝ってくれたが、2歳の姉は「まだ自分が注目を浴びたい年ごろ」(マイケルさん)だという。

もう子どもはできないと思っていたため、赤ん坊用の衣類は記念の6着を残してすべて処分済みだった。そこで残った衣類でしのぎ、粉ミルクやおむつなどの調達にも追われている。

この出来事はメディアでも紹介され、遠く南アフリカからもお祝いの言葉が届いた。「ショーンが大きくなったら見せてやりたい」とマイケルさんは言い、ステファニーさんも「息子のためにスクラップブックを作るつもり」と話している。

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