CDC、米マイアミ一部に立ち入り規制 ジカ熱で異例の勧告

スマートフォンが発する超音波で蚊が寄り付かなくなるという

2016.08.02 Tue posted at 11:57 JST

(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は1日、フロリダ州マイアミのダウンタウン北部の一部地区に関して異例の警戒情報を出し、妊婦やそのパートナーは同地区へ立ち入らないよう呼びかけた。地区内でのジカウイルス感染症(ジカ熱)の拡大を受けての措置だ。

感染症に感染する恐れがあるとしてCDCが米国内での立ち入り規制を勧告したのは初めて。

フロリダ州では地元で蚊に刺されてジカ熱に感染した人が新たに10人確認され、これで感染者数の合計は14人に増えた。

フロリダ州のスコット知事とCDCのフリーデン所長は1日にそれぞれ記者会見し、新たに感染が確認された10人について、200人の家庭や事業所を戸別訪問して尿検査や血液検査を実施した結果、ウイルスや抗体に対する陽性反応が出たと説明した。

これに先立ちフロリダ州は、同じ150平方メートルの圏内で蚊に刺されてジカ熱に感染した患者4人が確認されたと発表していた。この地域は開発が進む一方で、経済的に困窮した事業所や民家も多く、蚊の駆除などの対策が難しいという。

フリーデン所長は「この地域で引き続き感染が広がる恐れがあることが分かった」と述べ、「その結果を踏まえて妊婦に対してこの地域へ行かないよう勧告するとともに、もし6月15日またはそれ以降にこの地域へ行ったことがあれば、医療機関で検査を受けるよう呼びかける」とした。

ジカウイルスが細胞を破壊する様子を調べる研究者= IOC/Fiocruz

地元衛生当局は、ジカ熱に感染して米国に帰国した人が蚊に刺され、その蚊を通じてウイルスが広がったと見ている。感染しても5人中4人は症状が出ないことから、感染源となった人は自分の感染に気付いていない可能性もある。

「ジカ熱の感染が広がっている国や地域との間では4000万人が行き来しているが、多くは健康に何の問題もないまま帰国する」「しかし血中にはウイルスが入り込んでいるかもしれない。従って、そうした国や地域に渡航した人は全員が、帰国後も少なくとも3週間は虫よけを使わなければならない」とフリーデン所長は強調する。

フロリダ州ではCDCの専門家らが現地入りし、地元の緊急対策チームと連携して、これまで地元が行ってきた対策が奏功しなかった理由などを調査する。

ウイルスを媒介するネッタイシマカは駆除が難しく、殺虫剤に対して耐性を持っていたり、見付けにくい場所で繁殖したりしている可能性もあるという。

現地での調査には数週間かかる可能性があり、住民や同地域を出入りする人は警戒を続ける必要があるとフリーデン所長は促している。

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