(CNN) 「工場見学ツアーに参加すると、誰もが5歳の子どもになる」と語るのは、カレン・アクセルロッド氏だ。アクセルロッド氏は、夫のブルース・ブラムバーグ氏と共に、米国の工場見学ツアーのガイド本を執筆した。
「機械や火花を間近で見ることができ、興奮を肌で感じられるものこそが最高のツアー」とアクセルロッド氏は語る。
今回は、そんなアクセルロッド氏お気に入りのツアーの一部と、まだあまり知られていない、隠れた「名ツアー」をいくつか紹介する。
◇
ハーレー・ダビッドソン・ビークル・アンド・パワートレイン・オペレーションズ・ツアー
「ハーレーの工場見学ツアーは最高レベルのツアーのひとつ」とアクセルロッド氏は語る。「このツアーでは、フロアに降りて間近で見学できる」
ハーレーは米国内に3つの工場を所有しているが、カンザスシティーの工場は、同社の人気モデル「スポーツスター」「Vロッド」「ダイナ」の組み立ての過程をすべて見られる唯一の工場だ。
ツアーには35ドルの料金がかかるが、タンクやフレーム、フェンダーの製造から塗装・研磨に至るまで、オートバイ作りの舞台裏を垣間見ることができ、金額だけの価値はある。
フェンダー・ファクトリー・アンド・カスタムショップ・ツアー
カリフォルニア州コロナにあるギターメーカー、フェンダーの工場では、木の加工場、金属加工場、組み立て作業場などが見られるガイド付き見学ツアーを提供している。
ツアーの終点であるカスタムショップでは、「名器」の製作現場を見学でき、フィーリングのあうギターがあれば購入も可能だ。
フイ・フォン・フーズ・シラチャー・ツアー
ベトナム系移民デビッド・トラン氏が1980年に創業したフイ・フォン・フーズが販売する東南アジアのチリソース「シラチャー」は、米国で大ヒット商品となり、その甘く、激辛の味と、緑のキャップに鶏のラベルが貼られたボトルで愛されている。
カリフォルニア州アーウィンデールにある広さ約6万平米の工場内を歩く無料の見学ツアーは所要時間45分で、ハラペニョ(赤唐辛子)を選別する巨大な機械を通過し、瓶詰エリアが終点となる。また工場内にギフトショップもある。
ジェリーベリー・ファクトリー
サンフランシスコから北に1時間行ったところにジェリーベリーのビーンズ工場がある。ここには工場の他に、博物館や50種類のフレーバーのサンプルがもらえるギフトショップもある。
しかし、目玉は何といっても工場だ。
「ここの工場見学ツアーは素晴らしい」とアクセルロッド氏は語る。「上からフロアを見下ろす形だが、製造過程の多くを見学できる」
おいしいビーンズを作るには、加熱と冷却を繰り返し、さらに巨大なドラム缶の中で何度もかき回す必要があるため、7~20日を要する。この点もツアーで学ぶことができる。
また工場では、ジェリービーンズ好きで知られたロナルド・レーガン大統領の数千個のビーンズで作った巨大な壁画も見られる。
エアストリーム・ファクトリー・ツアー
シルバーのアルミ合金で出来たエアストリームのキャンピングトレーラーは、見た目も美しい。現在製造しているモデルは、同社が1930年代に製造していた同社のルーツともいえるモダンで芸術的なデザインを再現している。
オハイオ州ジャクソン・センターにある工場の見学ツアーでは、車体の組み立てから試験や検査に至るまで、キャンピングトレーラーの製造過程を始めから終りまで見ることができる。
フューチャー・オブ・フライト・アビエーション・センター・アンド・ボーイング・ツアー
シアトルの北約40キロに位置するボーイングの飛行機製造工場は、世界最大級の容積を誇る建物の中にあり、一般公開されている世界で唯一の民間ジェット機製造工場だ。
その巨大な組み立てエリアはまさに驚嘆の一言だ。
アクセルロッド氏は、「その規模もさることながら、さまざまな製造過程にあるさまざまな飛行機が見られるのは大変すばらしい」と述べている。
フォード・ルージュ・センター
最先端の設備を備えたフォード・ルージュ・センターは、ミシガン州ディアボーンにある現在は使用されていないルージュ工場の敷地内にある。
現在、改装された工場では、ミリタリーグレードのアルミ合金製ピックアップトラックF150を製造している。
ツアーにガイドは付かないが、ツアーのコースには、フォードの最も人気のあるトラックの最終組み立ての様子を上から見学できる歩道橋や、高さ約25メートルの展望台、2つの映画館などがある。
ベン&ジェリーズ・ファクトリー・ツアー
バーモント州にあるベン&ジェリーズの工場では、新しいフレーバーのアイスクリームを味わえるほか、フルサービスの「スクープショップ」で買い物をしたり、外にあるフレーバーの墓地で、引退したフレーバーたちの墓参りもできる。
所要時間30分のガイド付き工場見学ツアー(大人4ドル、子どもは無料)の終わりに、アイスクリームを試食できる。
ペンドルトン・ウーレン・ミルズ
ワシントン州ワシューガルにある店舗兼工場では、服や毛布を購入した後、毛織工場を見学できる。工場では、稼働中の織機を見学できるほか、織物についてさまざまなことを学べる。 「ペンドルトンの見学ツアーは、同社の歴史や伝統に焦点を当てているので気に入っている」とアクセルロッド氏は述べる。