米空港で相次ぐ不正侵入、100億円のシステムでも防げず

ニューアークの空港の滑走路に男が侵入

2013.12.27 Fri posted at 11:49 JST

(CNN) 米ニュージャージー州のニューアーク空港で25日、女装した男がフェンスを乗り越えて滑走路に侵入した。港湾当局が明らかにした。米各地の空港は高額のシステムを導入するなど警備を強化しているにもかかわらず、滑走路への不法侵入が相次いでいる。

同州やニューヨークの港湾当局によると、男は高さ約2.4メートルのフェンスを乗り越えた後に、動作センサーや監視カメラを張り巡らした3メートルのフェンスを乗り越え、滑走路2本を横切ってターミナルに駆け込んだ。

しかし警察は25日の時点で、侵入者がフェンスを乗り越えた形跡はないと発表。26日夜になって、監視カメラが侵入者の姿をとらえ、警報が出ていたことが分かったと明らかにした。現在、映像を監視していた担当者から事情を聴き、男がフェンスを乗り越えた時点で発見できなかった原因を調べている。

侵入者は空港職員に取り押さえられ、ジャージーシティに住む24歳の男と判明。警察が不法侵入の容疑で事情を聴いた後に釈放した。

高額な警備システムを導入しているが侵入事件が相次いでいる

ニューアーク空港などニューヨーク周辺の空港は、外部からの侵入に備えた検知システム(PIDS)を装備し、いずれも米軍需品メーカー、レイセオン製を採用している。同社のサイトによると、このシステムは「保安区域に入ろうとする侵入者の検出や追跡」が可能で、価格は1億ドル(約105億円)。監視レーダーや動作検知機能を備えたビデオカメラ、「スマート」フェンスなどで構成されるという。

しかし当局によると、ニューヨーク市のJFK国際空港でも先週、侵入者がフェンスを乗り越える事件があった。同システムは侵入者を検知していたが、容疑者が確保されたのは10分後だったという。

25日にはアリゾナ州のフェニックススカイハーバー国際空港でも、49歳の男が不法侵入の疑いで警察に逮捕された。管制官がフェンスを乗り越えて滑走路を走る男を発見し、連絡を受けたサウスウエスト航空機がエンジンを停止。男は同機のエンジンをたたいた後にターミナルに向かい、拘束された。男は酔っていた様子だったという。

フェニックス空港では数年前、費用対効果が見込めないとしてPIDSの導入を見送り、空港職員による警備を強化するなどの対応を決めていた。

米空港に不正侵入

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