レオ14世、就任ミサで貧困層の搾取を非難 カトリック教会の団結を呼び掛け
ローマ教皇レオ14世の就任ミサの様子
ローマ(CNN) 米国人として初めてローマ教皇となったレオ14世は18日、バチカンのサンピエトロ広場で開かれた就任ミサで貧困層の搾取を非難し、教会の結束を訴えた。ミサには150以上の国と地域の代表団や、王室のほか、数万人の信者が集まった。
レオ14世が教皇のために特別に設計された「ポープモービル」でバチカンに到着し、サンピエトロ広場を初めて巡回すると、大勢の群衆が歓声で出迎えた。当局によると、ミサの開始時に集まった信者はおよそ10万人。
2時間にわたり行われた就任ミサには、米国のバンス副大統領とルビオ国務長官、ウクライナのゼレンスキー大統領が出席し、握手を交わす姿がみられた。教皇とゼレンスキー氏の間では会談も行われた。
新教皇は就任にあたっての説教で、カトリック教会に「宗教的プロパガンダ」を広めたり、権力闘争を行ったりする余地はないとし、団結を呼び掛けた。これは、前教皇フランシスコの下でより鮮明になった改革派と保守派の分裂に言及したものとみられる。
教皇はまた、「地球の資源を搾取し、最貧困層を疎外する」経済システムも非難。前教皇の謙虚さに共感を示したうえで、カトリック教会のトップに選ばれたのは自身の功績によるものではないとし、「皆さんの信仰と喜びに仕える者でありたいと願う兄弟」としてその役割を引き受けると語った。
レオ14世は、ウクライナにおける「公正で永続的な平和」を呼びかけ、「子どもたち、家族、高齢者、生存者たちが飢えに苦しむ」パレスチナ自治区ガザ地区のために祈りを捧げ、ミサを締めくくった。
ミサではレオ14世に教皇の象徴である、十字架が刺しゅうされた羊毛製の帯と「漁師の指輪」が授与された。