イラン製ミサイル運搬の貨物船、ロシア南部の港に停泊 衛星画像で確認
(CNN) イラン製の弾道ミサイルをロシアに運んだとみられるロシア国籍の貨物船が、1週間前にカスピ海にあるロシアの港に停泊していたことが衛星画像で確認された。
米宇宙企業マクサー・テクノロジーズがCNNと共有した4日撮影の衛星画像には、貨物船「オリヤ港3」がロシア南部アストラハンのオリヤ港に停泊している様子が写っている。船舶追跡データによると、同貨物船は先月29日にはイランのアミラバード港にいた。同貨物船はその後、通信装置のスイッチを切った。
米財務省は10日、ロシア国防省が近距離弾道ミサイル(CRBM)をイランからロシアに輸送するのにオリヤ港3を使用していたとして、同貨物船などの船舶と、複数のイラン人に制裁を科した。
CNNは7日に、ロシアがウクライナとの戦争に使用するCRBMが最近イランからロシアに移送されたと報じた。
イランとロシアの軍事的な結びつきは2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻開始以来、緊密なものになっている。米当局者によると、イランはロシアに数多くのドローン(無人機)を供給し、ロシア国内にドローン製造工場も建設した。
ブリンケン米国務長官は10日、ロシア軍がイラン製の近距離弾道ミサイル「Fatah―360」を受け取っており、数週間以内にウクライナで使用する可能性が高いとの見方を示した。
米シンクタンク「戦争研究所(ISW)」は、ロシア軍が数カ月以内にウクライナのエネルギー・軍事・民間インフラを攻撃し、その際にイラン供給のミサイルを使用することが予想されると分析している。
イラン側はロシアへのミサイル供給を否定している。