米中の軍司令官がビデオ会談 「誤算」リスクの低減図る
香港(CNN) 米インド太平洋軍のパパロ司令官と中国人民解放軍南部戦区の呉亜男司令官が10日、ビデオ会議方式で会談した。米中間では2年以上前から軍同士の対話が途絶えていた。
中国は2022年、ペロシ米下院議長(当時)の台湾訪問に反発して米軍との対話を停止した。アジア太平洋地域で最近、中国の南シナ海での攻勢や台湾との対立をめぐり緊張が高まるなか、米中双方が数カ月前から、対話を次第に復活させる姿勢を示してきた。
サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が先月末に中国を訪問した際、司令官レベルの電話協議を「近いうちに」開催することで双方が合意していた。
米ホワイトハウスの発表によると、10日の会談は相互に尊重し合う建設的な内容だった。
パパロ氏は会談で、軍幹部同士の対話を維持することにより、誤解や誤算のリスクを減らすことができると強調。中国軍と米同盟国の間で最近「安全でない」遭遇が数件あったと指摘し、中国側に国際法の順守と安全確保を求めた。また、南シナ海などでの「危険で威圧的な、緊迫化を招く恐れのある」戦術を再考するよう呼び掛けたという。
中国の国営メディアも10日午前、会談が開かれたことを確認した。
アナリストらは長年、南シナ海での誤算が米中間の地域紛争に発展する可能性を指摘。対話がなければリスクはさらに高まるとの警告を発してきた。