ロシア、「真空爆弾」投下で兵士多数の殺害主張 ウクライナは一蹴
(CNN) ロシア国防省は21日までに、ウクライナの戦場に「燃料気化爆弾」を高精度で標的に投下し、最多で同国軍兵士300人を殺害したと主張した。
これに対しウクライナ国防省情報総局のユソウ報道担当者はCNNの取材に、「馬鹿げた主張。プロパガンダの一環」と即座に一蹴(いっしゅう)した。
ロシア国防省によると、同国軍のキム副参謀総長がショイグ国防相との会合で報告したとした。副参謀総長はこの攻撃が起きた地域や時期には具体的には触れなかったが、今月16日より前の1週間内として、ウクライナ国防省情報総局の特務部隊が展開している場所だったとした。
RIAノーボスチ通信によると、キム氏はこの空爆には燃料気化爆弾を使用する爆弾を用いたと述べたという。
破壊力が強い同爆弾は「真空爆弾」とも呼ばれ、空気中の酸素を利用して高温の爆発を生じさせる。通常の爆発物より爆風効果が長くなり人体の殺傷能力などを高めるという。
ショイグ国防相との会合は統合軍本部であったとし、ウクライナ侵略を示すロシア独自の呼称「特別軍事作戦」の作戦遂行の現状について各司令官から報告を聞く場だったとした。
ロシア国防省によると、キム氏は席上、米国がウクライナに供与した地対空ミサイル「パトリオット」の3基、米国製のドローン(無人機)撃墜システム「バンパイア」1基、外国製の砲門10門に燃料や弾薬庫などを破壊したと報告。
その上で、ウクライナが高精度の兵器やドローンの攻撃を受け装備品や人員面で多大な損失を被ったとことも認めたという。