ガザの衛生状態を強く懸念、具体的な疾病患者数に言及 WHO

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(CNN) 世界保健機関(WHO)は4日までに、軍事衝突が続き住民ら数十万人規模が移動を強いられているパレスチナ自治区ガザ地区の公衆衛生状態に触れ、感染症の蔓延(まんえん)への強い懸念を示した。

多くの住民が過剰収容状態の避難施設に押し込まれ、医療関連施設による対応も逼迫(ひっぱく)している現状を踏まえた危機感の表明となっている。

WHOのテドロス事務局長は声明で、昨年10月半ばから12月半ばにかけてガザ全土で
発生が確認された疾病や症状に言及。上気道感染症が約18万件、下痢症状が約13万6400件で半数が5歳未満の子供で、シラミの広がりや疥癬(かいせん)が約5万5400人とした。

水疱瘡(ぼうそう)が約5330人、吹き出物の発疹などが約4万2700人に黄疸(おうだん)の約4万2700人なども含まれた。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、ガザの住民の約85%に当たる約190万人が昨年10月7日以降に居場所を失って逃避を強いられた。ガザ地区を実効支配するイスラム組織「ハマス」は同日にイスラエルに仕掛けた大規模奇襲が軍事衝突につながっていた。

ガザには病院が36あるが、WHOの先月27日時点での声明によると、部分的に機能しているのが13で、最小限の業務を確保しているのが2となっている。

一方、ガザの保健省は2日、同地区で強まる人道危機に関する最新状況を発表。地区内の病院などから得た情報に基づくとし、正確なデータは多くの住民が路上生活を強いられているため難航していると述べた。

これによると、昨年10月7日以降に居住先を追われた住民は約193万人で、うち120万人は全土にある国連運用の退避施設に逃れた。UNRWAによると、193万人はガザの総人口の約85%を占める。

一部でも機能している病院は9のみで、中部や北部については情報がないと明かした。業務をかろうじて続けている病院の病床の占有率は平均で「351%」になっているという。

呼吸器系の疾患や皮膚病は拡散し続けており、急性呼吸器感染症を抱えている住民は約20万人、下痢は13万人以上とした。強制的とも言える移動や寒冷気候が病気の誘因になっているとも警告した。

保健省はさらに、食糧難にも触れ、全住民が現段階で影響を受けていると推定。特に食料が入手できない「危機的な局面」にあえいでいる住民は約37万8000人ともした。

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