元自衛官3人に有罪判決 同僚の女性が性被害
東京(CNN) 福島地方裁判所は12日、同僚の女性に対する強制わいせつ罪に問われた元自衛官3人に有罪判決を言い渡した。
元自衛官の五ノ井里奈さんが被害を訴え、法廷とインターネット上で闘ってきた。
3人は懲役2年、執行猶予4年の判決を受けた。
国内メディアによると、被告らは2021年8月、格闘技の技で五ノ井さんの体を押さえつけ、覆いかぶさってわいせつ行為に及んだとして起訴された。3人は五ノ井さんを押さえつけたことを認めたが、わいせつ行為は否認し、無罪を主張していた。
五ノ井さんは当初、自衛隊に被害を届け出たが、3人は嫌疑不十分で不起訴となった。昨年6月に退職した後、ネット上で告発を続けた。
昨年9月に捜査が再開され、当時の陸上幕僚長が記者会見で五ノ井さんに謝罪した。同10月には岸田文雄首相が議会で、自衛隊でのハラスメント撲滅に努めると表明した。
防衛省は昨年9月、自衛隊内のハラスメントに関する実態調査に乗り出した。同省が今年8月に発表した報告書では、1325件の被害申告を調べたところ、一部の被害者は相談への対応が不十分だったと話していることなどが判明。浜田靖一防衛相(当時)が改善を約束した。
五ノ井さんはこの事件の前も、20年に福島県の駐屯地に配属されてから連日、身体的な性被害や言葉のハラスメントを受けていたと主張。国と加害者の隊員らを相手取った民事訴訟も起こしている。
今年7月にはCNNとのインタビューで、自衛隊でハラスメントを受けてきたほかの人々の助けになりたかったと話した。被告らに罪を認めて謝罪してほしい、自分のような思いをする人をなくしたいという考えから声を上げたと説明した。