カタールからガザへの援助、背後にイスラエル首相の思惑か
(CNN) イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に多額の援助を続けてきたとして中東カタールに非難が集中するなか、援助の背後にはネタニヤフ・イスラエル首相の思惑があったことが、CNNなどの取材で明らかになった。
ハマスが10月にイスラエルを攻撃してから、カタールのガザ援助にはイスラエル当局者や米政治家、メディアから非難が集中している。
一方、CNNがイスラエルの調査報道NPO「ショムリム」と共同で同国の主要人物らに取材したところによると、その背後ではネタニヤフ氏が政権内部の懸念を押し切り、カタール経由の資金供給を容認し続けていた。
イスラエル内外のメディアが報じてきたところによると、ネタニヤフ氏はハマスがパレスチナ自治政府への有効な抵抗勢力になれば、パレスチナ国家の創設を阻止できるとの期待を抱いていたとされる。
自治政府の当局者らも当時、資金供給がパレスチナの派閥間対立を深めると述べていた。
イスラエル軍の元高官はCNNとのインタビューで、ガザへの援助でパレスチナの主権を弱体化させ、ハマスを手なずけることができるとの幻想が一部にあったことを認めた。
これに対してイスラエルの情報筋は、ガザ地区には同国の歴代政権が人道的な理由で援助を進めてきたと弁明。さらに、ネタニヤフ氏はハマスによる10月の攻撃に対し、断固とした行動を取ったとも強調している。