ロシアの核態勢に「変化なし」　米当局者

（ＣＮＮ） ロシアの政府高官が最近、核兵器による威嚇を行っているものの、米国はロシアの核兵器の態勢について動きや変化を示す兆候を検知していないことがわかった。米軍高官がＣＮＮに明らかにした。

このため、米国側も核の態勢について変更は行っていないという。

米国家安全保障会議（ＮＳＣ）の報道官はＣＮＮに対し、「ロシアの戦略的戦力の態勢が変化したことを示すいかなる兆候も見られず、引き続き状況を監視している。現時点で、我々の戦略的戦力の態勢変更を正当化するものはなにもない」と述べた。

ロシアの指導層はここ数カ月、核戦争の可能性について繰り返し言及している。米国と同盟国は威嚇のたびにロシアの核兵器について動きや配備の兆候を監視してきた。

直近では、ロシアのメドベージェフ前大統領が４月に核戦争の脅威が「日に日に増している」と発言していた。

メドベージェフ氏が核戦争について言及したのはその時が初めてではない。１月にはＳＮＳ「テレグラム」への投稿で、米国や北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）によるウクライナ支援に言及し、「通常戦争での核保有国の敗北は核戦争の引き金となる可能性がある」と述べていた。

９日に行われた対独戦勝記念日のパレードでは、最新の防空システム「Ｓ４００」や大陸間弾道ミサイル（ＩＣＢＭ）「ヤルス」などロシアの核戦力の一部が登場した。