米比、南シナ海で最大規模の軍事演習 「敵艦船」攻撃も

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米軍との年次の合同軍事演習「バリカタン」で砲撃の準備を整えるフィリピン軍の兵士ら/Ceng Shou Yi/NurPhoto/AP

米軍との年次の合同軍事演習「バリカタン」で砲撃の準備を整えるフィリピン軍の兵士ら/Ceng Shou Yi/NurPhoto/AP

(CNN) フィリピン軍などは26日、同国北端のルソン島沖合の南シナ海で同日、敵の戦闘艦艇に見立てた船舶を攻撃するなどの訓練を盛り込んだ米軍との年次の合同軍事演習「バリカタン」を実施したと発表した。

フィリピンのマルコス大統領も演習を視察。参加の兵員らの総数は1万7600人以上で、両国間のこの種の演習としては過去最大規模となった。

米軍はF35、F16両型戦闘機、高機動ロケット砲システム「ハイマース」や攻撃型ヘリコプター「コブラ」を、フィリピン側はFA50型戦闘機、ヘリや砲門を動員した。敵の艦船と想定した退役済みの戦闘艦艇はルソン島沖の比領海内に配置された。

ルソン島と台湾の間の距離は約452キロ。中国の国営メディアは先に、同演習は「中国を狙った試み」と決めつけていた。また南シナ海では沿岸諸国・地域の領有権論争が今なお続き、中比間でも対立の火種となっている。

米インド太平洋軍のジャーニー海兵隊司令官は今回の演習について、全領域にまたがる軍事作戦において両国の能力を共に強化するとの声明を発表した。

米比関係はドゥテルテ前政権が経済支援を視野に入れて中国に接近したため一時冷え込んだが、マルコス政権になってからは好転。最近では米国との防衛協力強化協定(EDCA)に基づき、米軍の一時駐留が可能となる四つの拠点を新たに設けてもいた。

両国は1951年、相互防衛条約も結んでいた。

今年のバリカタンの特徴は、ウクライナ戦争で効果を示したハイマースや対戦車ミサイル「ジャベリン」などの兵器の登場。さらに海兵隊が中国をにらみ新たに編成した海兵沿岸連隊も送り込んだ。海兵隊の報道発表文によると、この連隊は高度な機動性を持ち、攻撃能力、防空能力やミサイル防衛能力を備え、海上戦闘への支援任務などにも当たる。

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