ウクライナ全土で反汚職の家宅捜索 多額の現金や高級時計、車が見つかる
1日に実施された捜索の対象には、アルセン・アバコフ前内務相の家宅も含まれる。アバコフ氏に対しては、14人が死亡した1月18日のヘリコプター墜落に関連する捜査も行われている。当該のヘリコプターは、2018年に結んだ契約の一環として同氏がフランスから調達したものだった。
同氏は1日、いかなる不正行為もないとし、ヘリコプターの契約は議会で承認されていたと主張した。
SBUはこのほか、ウクライナ大手の石油会社の「元経営陣」が11億ドル(約1400億円)規模の「不正流用」を行っていたと糾弾。さらに国防省の調達担当元トップを着服の疑いで起訴したと発表した。
ウクライナ国家捜査局提供の写真/Ukraine State Bureau of Investigation
この元トップは270万ドル相当の資金を投じてウクライナ軍の使用する防弾ベスト約3000着を購入したが、その後これらのベストは兵士らを適切に防護できるものでないことが判明したという。
SBUは、安全保障と国防部門に所属する複数の当局者についても、違法行為への関与の疑いで捜査を進めていると述べた。国家の防衛力の強化を念頭に置いた取り組みだとしている。