ロシア軍占領の南部ヘルソンで略奪や強盗増加、ウクライナ軍

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(CNN) ウクライナ軍参謀本部は27日までに、ロシア軍が占領する南部ヘルソン市で略奪や強盗が増えている報告があるとの声明を発表した。

ヘルソン市で略奪や違法行為の件数が増えていると指摘。「占領者たちは地元住民から車を奪い、(ドニプロ川の)アントニウスキー橋の近くでフェリー船を使い同市からの離脱を試みている」とした。

声明は22日付で、ロシアが据えたヘルソン市の行政当局は同日、ドニプロ川の東岸への退避を住民に指示してもいた。ウクライナ軍の反攻開始は近づいているともされるが、同国政府は住民に危険な事態が迫っているとのロシア側の言い分は根拠のない「ヒステリー」と一蹴している。

ウクライナ軍はまた、ロシア軍はヘルソン州から退却中とも主張。ヘルソン市から北東へ約100キロ離れた2カ所の集落から撤収したとし、同市の東方に位置するベリスラウ市からは将校や医療担当要員らが退避したと述べた。

CNNは、ウクライナ軍が指摘するヘルソン市での略奪などの増加やロシア軍の動向についての事実関係を独自には確認していない。

ウクライナ軍はヘルソン州での反攻でさらなる戦果を握るとの期待も生まれているが、ロシア軍の同州での次の動きに関しては憶測交じりのみの状況となっている。ヘルソン市をめぐる戦いの見通しについても情報が錯綜(さくそう)しており、戦闘に備えているとの説や撤収の準備をしているとの見方がある。

ロシア軍は侵攻開始の早い段階でヘルソン市を制圧。ロシアが支える地元行政当局は過去2週間余、ウクライナ軍による市の奪還の試みが差し迫っているとのメッセージを流し、フェリー船で数千人規模の住民をドニプロ川の対岸へ輸送してもいる。

占領統治の足跡を消すとみられる措置も講じ始め、負傷者を運び出し、行政サービスや金融機関も市外へ移転させたという。半面、陣地を強化するための兵員を増派しているともされる。

市内に依然とどまる男性の住民はCNNの取材に、新たな兵士が投入されていると証言。市に送り込まれていた兵士たちが一定期間の任務を終えて去ると、新たな兵士が到着したとし、「多分、動員兵だろう。彼らは自分たちがどこの都市にいるのかさえ知っていない」とも話した。

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