プーチン氏、欧州向けウクライナ産穀物輸出の制限も 「宗主国の振る舞い」批判
(CNN) ロシアのプーチン大統領は7日、ウクライナ産穀物の欧州諸国への輸出制限を示唆し、欧州は「宗主国のように」振る舞っていると非難した。発展途上国は国連の仲介による「黒海穀物イニシアチブ」下で期待されていた輸出のほんの一部しか受け取っていないと、誤解を招く数字を用いて主張した。
極東ウラジオストクで開催中の東方経済フォーラムの開会演説で、プーチン氏はウクライナ産穀物の出荷に関する現在の国連のデータを正確に反映していない数字を引用し、欧州諸国への穀物と他の食料品の輸出を制限するために協定の修正を検討すると述べた。
「ウクライナから輸出される穀物のうち、発展途上国向けはわずか3%で、大半は欧州向けだ。過去数十年にわたって欧州諸国は宗主国のように振る舞い、いまだにそうしている」とプーチン氏は主張した。
「またしても欧州諸国は発展途上国を欺いた」と述べ、「このルートでの穀物やその他の食料品の輸出を制限する方法を検討する価値はあるだろう」と付け加えた。
「この件について必ずトルコのエルドアン大統領に相談する。ウクライナの穀物輸出の仕組みを考えたのは彼と私だからだ」とも述べた。
国連はCNNへの声明で、黒海穀物イニシアティブの下、「穀物およびその他の食料品」のおよそ30%、重量にして約70万トンが低・下位中所得国に供給されたと述べている。
世界銀行が低・下位中所得国に分類する国のうち、エジプトに10%、イランに5%、インドに4%、スーダンに3%、イエメンとケニアに2%ずつ、ソマリアとジブチに1%ずつ、レバノンに1%以下が輸出されたという。