EU、ロシア産石炭の禁輸開始

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(CNN) ロシアによるウクライナ侵攻を受け欧州連合(EU)加盟国が今年4月に合意していたロシア産石炭の輸入禁止措置がこのほど始まった。

石炭禁輸はEUがウクライナでの虐殺疑惑の発覚を受け、ロシアに科した制裁第5弾の一環。禁輸の開始は10日で、全ての種類の石炭が対象。ロシアのエネルギー源輸出の締め出しを狙い、EUが調整して最初に打ち出した輸入禁止措置となっている。

EUの行政執行機関、欧州委員会はこの禁輸の効果でロシアは毎年、約80億ユーロ(約1兆960億円)相当の輸出額減少を被るとみている。

ロシアのエネルギー輸出を標的にした制裁は、天然ガスや燃料油の価格高騰が進むなか、EU加盟国の経済に直にはね返るためEU指導者が合意をまとめるまで難航した。

欧州は石炭輸入の約半分をロシアに頼っていたが、石炭への需要は世界的にも既に衰退基調にあった。

米コンサルティング企業「ユーラシア・グループ」のエネルギー問題担当幹部はCNNの過去の取材に、多くのロシア産石炭を使っている欧州の公益事業にとって石炭禁輸はより難しい経営環境を突き付けるだろうと指摘。

ただ、エネルギー企業は対応出来るだろうとし、石炭禁輸はEUによる再生可能エネルギー導入に弾みを与える効果もあり政治家が公に推進することは困難ではないともみていた。

国際エネルギー機関(IEA)によると、ロシアは2020年にはオーストラリアとインドネシアに次ぐ世界3位の石炭輸出国だった。EU加盟国向けの一般炭の輸出量では首位だった。

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