北京への渡航、かつてないほど困難に ゼロコロナ対策強化で

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中国入国の厳しさは、記者が体験

中国・昆明(CNN) 中国首都の北京市では現在、新型コロナウイルスの感染対策として一部でロックダウン(都市封鎖)が行われているが、首都の全面封鎖にもつながりかねない。だが、住民2100万人を対象とした検査、学校や一部ショッピングモールの閉鎖など、政府が規制を強化する中、筆者は北京に行こうとしている。

その週に出航する東京発北京行きの直行便は皆無だった。運航している最短ルートは中国南部、北京からおよそ1600マイル(2600キロ)離れた雲南省の昆明行きだった。そこで21日間の隔離を受けることになるが、隔離を受けたとしても北京への立ち入りが認められる保証はない。

厳格な水際対策、即座のロックダウン、集団検査といった中国政府の戦略は、パンデミック(世界的大流行)初期には有効な感染対策だった。だが感染力の高いオミクロン株はさらに難問を突き付けている。

昨年12月中旬以降、中国の1日の平均感染者数は2桁から2万人以上に急増した。CNNの計算では、少なくとも国内27都市で部分的または全面的なロックダウンが敷かれ、約1億8000万人の生活に支障が及んでいる。

中国最大級の金融都市である上海では、最も厳格な措置がいくつか実施され、2500万人の住民は1カ月以上も居住区域から出られずにいる。取り締まりの厳しい中国のインターネットにも募る不満があふれかえっている。

食料が不足し、医療サービスも受けられず、陽性判定者は劣悪な環境の仮設隔離施設に入れられる。こうした状況に対して沸き起こる怒りを政府は必死になって抑え込もうとしている。権威主義の中国では珍しい光景である抗議デモまで勃発し、市民と警察の衝突が繰り広げられている。

上海と比べると、北京の感染者数は依然として少ない。先月29日の感染報告件数は34件で、今回の感染の波で報告された総数は228件にのぼる。

だが中国は楽観視することなく、政治の中心地でのウイルス拡大阻止を図っている。

中国への渡航

今回の中国行きは、今年2月に世界一厳格なコロナ対策の中で開催された冬季オリンピック(五輪)の時よりも困難だった。当時は遮蔽(しゃへい)物や隔離期間、定期的な検査など徹底した管理体制を敷いて、役員やメディアや選手を中国の一般大衆から切り離していた。

現在では中国入国にあたり、政府公認の診療所で出発の7日前に1回、次いで出発前48時間以内に2回、合わせて3回分のPCR検査の陰性証明を提出しなければならなかった。

機内ではフライトアテンダントが全員防護服を着ていた。昆明空港の職員も同様だった。着陸後、乗客は全員ただちに検査を受けるよう指示された。鼻咽頭(いんとう)ぬぐい液での検査は涙が出た。

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