4歳児が親と別れて隔離、中国のゼロ・コロナ政策で人々が払う犠牲

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4歳児が親と別れて隔離、ゼロ・コロナ政策の中国

(CNN) 頭からつま先までをすっぽりと防護服で覆った幼児が、自分の体の半分ほどもあるリュックを背負い、病院の廊下をおぼつかない足取りで歩く。向かうのはCTスキャンを行う部屋だ。付き添いは誰もいない。

「残念なことに、4歳の男の子が(新型コロナに)感染してしまった」。動画に付いた字幕がそう告げる。「ついてきてくれる親もなく、たった一人で隔離に向かう」

中国東部福建省莆田市にある隔離用の病院で看護師が撮影したこの動画は、今週ソーシャルメディアで拡散し、多くの人の心をとらえた。中国では莆田市を中心に、直近の新型コロナ・デルタ株の感染拡大が起きた。

中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」には、動画の感想として「胸が痛い」、「目に涙があふれる」といったコメントが並ぶ。

動画は、中国の重視する「ゼロコロナ」政策が人々にどれほどの犠牲を強いるかを痛切に訴えてくる。この政策は国内で何度も勢いを盛り返すウイルスの封じ込めに寄与してきた。

その中身は地域全体にロックダウン(都市封鎖)措置を導入し、数日の間に数百万人に対する検査を実施。感染者とその濃厚接触者を所定の施設に速やかに隔離するといった手順で構成される。

今回は厳格な対策を学童に対して適用している。この年齢層から多くの感染が確認されて急速に広まった事例はこれまでで初めて。政府によると莆田市では、最近報告された感染例129のうち57例が12歳以下だった。

さらなる蔓延(まんえん)を防ぐため、感染した子どもたちは小学校に上がる前の幼児を含めて両親から引き離し、病院で隔離する。

16日の記者会見で莆田市の行政府は、中国の防疫の規定により、新型コロナ患者は隔離や治療の間いかなる付き添いも許されないと説明。ただ子どもとその親がともに感染していた場合は、両者が同じ病棟にいられるように病院側が調整を試みると述べた。

当初は感染者に接触後、検査で陰性だった子どもについても、同じように親元を離れて隔離されるケースがあった。その後は緩和され、14歳以下の子どもであれば親や家族とともに隔離に入ることが認められた。ただ、感染した子どもたちが親から引き離される状況はそのままだ。

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