ヒスイ産業の支配強めるミャンマー軍、内戦とクーデターの要因に

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採掘場所の近くで暮らす出稼ぎ労働者=2020年、ミャンマー・カチン州/Ye Aung Thu/AFP/Getty Images

採掘場所の近くで暮らす出稼ぎ労働者=2020年、ミャンマー・カチン州/Ye Aung Thu/AFP/Getty Images

規制が緩んで野放図な採掘がおこなわれたことがその原因で、結果は深刻なものとなり、19年4月、および20年7月に発生した大規模な地滑りでは、合わせて200人超が死亡した。

腐敗は上層部にまで到達

ヒスイ産業は、その利益が課税されることなく武装組織や政治的支配層に流れ、同国北部で長引く内戦を煽る一因となっており、腐敗と犯罪のうわさに長い間つきまとわれていた。

グローバル・ウィットネスは、ミンアウンフライン最高司令官の一族が、地下経済から私的に利益を得ていることを示唆する証拠を発見したと主張。「もし本当なら、ミンアウンフライン最高司令官の手中にあるこの産業について警鐘を鳴らす、恥知らずな腐敗の例証だ」としている。

同NGOは、国軍およびミンアウンフライン最高司令官が同国を掌握する現在、クーデターによって最高司令官とその一族に、業界全体を自分たちのための宝箱に変える白地小切手が手渡されたと指摘。

「ミンアウンフライン最高司令官は、ここ数年の間に世界全体でみられた人道に対する犯罪のうちでも、最悪レベルのものを複数取り仕切ってきた。そして今、彼は軍事政権による暗い日々に再び引き戻す危険に同国を陥れたクーデターを率いている」と述べた。

報告書は、クーデターを受けて「NLDの改革は今や死に絶えた」とし、ヒスイ産業における真の改革への希望は消え失せてしまったと指摘。

グローバル・ウィットネスは、国際社会に対し、ミャンマーで採掘されたヒスイなど全ての宝石類の輸入を禁止し、国軍がヒスイや他の天然資源に関連する産業から利益を得るのを制限する政策を採用するよう呼び掛けている。

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