ヒスイ産業の支配強めるミャンマー軍、内戦とクーデターの要因に

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重機でヒスイの採掘を行う人々=2015年10月、ミャンマー・カチン州/Ye Aung Thu/AFP/Getty Images

重機でヒスイの採掘を行う人々=2015年10月、ミャンマー・カチン州/Ye Aung Thu/AFP/Getty Images

ヒスイ採掘に熱狂する武装組織

アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)が16年に政権の座に就いた際、政府は透明化を図ったり、採掘認可を一時的に停止したり、宝石に関する新法を起草したりすることで、ヒスイ産業の改革を試みた。

だが報告書は、国軍や業界の激しい反発に直面したことで一連の改革が不十分なものになったと指摘。改革のプロセスが行き詰まって生まれた権力の真空に乗じて、軍や少数民族の武装勢力は先を争って業界への支配を強めようとしたという。

16年の総選挙後に起きたヒスイの産出ラッシュでは、数十年にわたって戦闘を繰り広げてきた宿敵同士が、採掘許可が失効する前に可能な限り多量のヒスイを掘り出そうと協力していた。

だがクーデターの後、この状況は一変し、産地であるパカン地方を含むカチン州各地で戦闘が勃発した。

熱狂的な採掘競争により、パカン地方では企業が採掘における危険な労働慣行を増加させ、安全対策に手を抜く結果となり、「鉱山労働者の間で、深刻な事故や命を失う事態」につながっている。

クーデターが発生する以前、また新型コロナウイルスが感染拡大する以前には、一獲千金を狙う最大40万人の出稼ぎ労働者が毎年、同地方を訪れていた。鉱山では、地滑りなどの死亡事故が当時からすでに多発していたが、報告書によると過去5年間で状況は悪化。

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