マルタ記者殺害、被告が有罪認める 禁錮15年で司法取引
(CNN) 地中海の島国マルタでジャーナリスト殺害の罪に問われていた3人の被告の1人が24日までに殺害を実行したことを認めた。同被告の弁護士が明らかにした。
弁護士はCNNの取材に対し、ビンセント・ムスカット被告が有罪を認め、禁錮15年の刑で司法取引に合意したと述べた。罰金刑も科される見通しだという。
他の2人の被告は依然として罪を認めていないとした。同弁護士はこの2人の弁護には携わっていない。
CNNはマルタの刑事控訴裁判所にコメントを求めたが、現時点で回答はない。
殺害されたダフネ・カルアナガリチアさんは当時53歳で、汚職追及を主導するジャーナリストとして知られていた。2017年に自宅近くで起きた自動車爆破により死亡した。
遺族はマルタ政府の汚職疑惑を暴いたことにより「暗殺」されたとの見方を示していた。
遺族の弁護士は法廷で、依頼者の希望として、今回の判決を端緒にカルアナガリチアさんに対する正義が完全になされることを願っていると述べた。
カルアナガリチアさんは16年、 タックスヘイブン(租税回避地)の実態を暴いた「パナマ文書」に記されたマルタ人を調査し、パナマ拠点の会社と政治家のつながりを暴露。当時のマルタ首相の妻に対する汚職疑惑も追及していた。首相夫妻は疑惑を否定している。