トランプ氏、ロンドンで仏大統領らと会談 亀裂が浮き彫りに
ロンドン(CNN) トランプ米大統領は3日、ロンドンで北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の開幕に先立ち、マクロン仏大統領らと会談した。マクロン氏との間ではNATOの現状やシリア情勢、通商問題などをめぐる意見の食い違いが目立った。
マクロン氏は先月、NATOがトランプ米政権の同盟軽視姿勢などで「脳死」状態に陥っていると発言し、物議を醸していた。トランプ氏は3日、これを「侮辱的」で「危険」な発言と呼び、改めて不快感を示したが、マクロン氏はトランプ氏との会談で、自身の発言を翻す気はないと明言した。
両首脳はかつて親密さを前面に打ち出していたが、過去2年間のうちに国防、外交、通商、気候変動などをめぐる対立が表面化し、関係は冷え込んでいる。
会談ではシリアで過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に参加し、拘束された欧州出身の戦闘員について、トランプ氏がマクロン氏に改めて身柄の引き取りを要求。冗談めかした口調で「だれでも好きなのを取ればいい」と話したのに対して、マクロン氏は「真面目にやろう」と返し、ISIS打倒が最優先だと述べた。
マクロン氏はまた、トルコがNATO加盟国でありながらロシアのミサイルを購入したことや、親米クルド人勢力をテロ集団として敵視していることを非難し、同国に説明を求める必要があると主張した。
一方、トランプ氏はこれに先立つストルテンベルグNATO事務総長との会談で、ISISの最高指導者バグダディ容疑者の殺害作戦にトルコが「とても協力的だった」と称賛。「私はトルコが好きだ。大統領とも大変仲がいい」と強調した。
トランプ氏はストルテンベルグ氏との会談で、フランスが導入したデジタルサービス税に強い反発を示し、「他国が米企業につけ込むことは許さない」と力説した。
ただしマクロン氏との会談では態度をやや軟化させ、通商面で「小さな論争」があると述べるにとどまった。
トランプ氏はこの日、カナダのトルドー首相とも会談し、来年6月の主要7カ国(G7)首脳会議をワシントン郊外の大統領山荘、キャンプデービッドで開催すると発表した。