公立学校で気候変動問題の授業を義務化、世界初 イタリア
(CNN) イタリアのロレンツォ・フィオラモンティ教育相は7日までに、全ての公立学校の全学年で来年9月から気候変動と持続可能性に関する授業を年間約33時間義務付けるとの方針を明らかにした。
環境教育面でイタリアが世界を率先する国家になることを目指している。同相の報道担当者はCNNの取材に、国家的な義務教育の場で気候変動問題の授業を必須化するのは世界で初めてとも誇示した。
また、気候変動を扱う授業は現行の市民の権利などに関する授業に繰り込むと述べた。イタリアの将来の市民は気候上の緊急事態に備える必要があるとも主張した。
持続可能な開発に関する問題は地理学、数学や物理学の授業の中に組み込ませるとした。
フィオラモンティ教育相は既存勢力に批判的な市民政党「五つ星運動」の所属。同党は、環境問題を重視する姿勢を維持している。
南アフリカのプレトリア大学の経済学教授の経歴も持つ同相はロイター通信との会見で、教育省は持続可能性と気候問題を教育モデルの中心に据える組織に全面的に変わっているとも強調した。
フィオラモンティ氏は教育相就任以降、気候変動に関するデモで学生を支援し、プラスチック製品や糖分がある飲み物への課税案を支持するなどして右派政党から批判を浴びている。