ライチ由来の毒素が影響、脳炎で子ども47人死亡 インド

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インド北部で、ライチの種に含まれる毒素から脳炎を発症する子どもが相次いでいる/Shutterstock

インド北部で、ライチの種に含まれる毒素から脳炎を発症する子どもが相次いでいる/Shutterstock

(CNN) インド北部で、果物のライチに含まれる毒素の影響で子どもが脳炎を発症し、死亡するケースが相次いでいる。現地の保健当局が明らかにしたところによると、その数は過去3週間で47人に上る。

ビハール州の当局者が13日に発表した。州内の街にある2つの病院が診断した急性脳炎の患者は今年1月以降で計179人。ただここ2~3週間前まで死者は出ていなかった。

2013年には同じく北部に位置するウッタルプラデシュ州で、少なくとも351人が脳炎のために死亡している。

州保健省は死因を低血糖とする一方で、現地で広範に栽培されているライチも要因だと指摘する。

2017年刊行の医学誌に掲載された研究論文によると、発症の相次いだ村では親たちが子どもたちについて、近くの果樹園のライチを食べて1日の大半を過ごすと報告していた。ライチで空腹を満たした子どもたちが夕食を取らずに就寝すると、夜間に体内の血糖値が低下するという。

血糖値が下がると体は脂肪酸を代謝してグルコースを作ろうとするが、ライチの種に含まれている毒素が体内に存在すると「グルコースの合成は著しく阻害される」と論文は指摘。こうした状態が危険な水準の低血糖や脳の炎症を引き起こすとしている。

ライチの種の毒素は、熟していない果実に高いレベルで含まれている。病気を発症した子どもの尿サンプルを分析したところ全体の3分の2でこれらの毒素が検出された。

州の保健当局者は脳炎にかかった子どもたちについて「貧困家庭の出身で、糖分が足りていない。栄養不良にも陥っている」と説明。州内にすむ親たちに対し、子どもにしっかりと水分を摂取させ、空腹のまま就寝させないよう心掛けるように警告した。

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